米テキサス州コーパスクリスティー港、港内の新規鉄道輸送開始、混雑緩和へ

(米国)

ヒューストン発

2022年08月03日

米国テキサス州のコーパスクリスティー港は82日、同港内で新たな短距離鉄道路線であるテキサス・コースタル・ベンド鉄道(TCBR)の運行開始を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。米運送会社のワトコ(本社:カンザス州ピッツバーグ)が翌3日から同港内の顧客向けに鉄道貨物輸送サービスの提供を開始する。総路線距離は63マイル(約101キロメートル)に上る。

コーパスクリスティー港は、米国産エネルギー資源の主要な輸出港であると同時に、風力タービン部品や農産物、石油精製燃料、軍事物資などさまざまな貨物を鉄道輸送している。同港では現在、BNSF鉄道、ユニオン・パシフィック鉄道、カンザスシティ・サザン鉄道の3つの一級鉄道(注)と同港独自の鉄道からなる計4つの鉄道貨物輸送サービスが利用可能であり、前述の3つの一級鉄道に接続するTCBRが今回新たに追加される。

同港は725日、2022年第2四半期(46月)と上半期(16月)の貨物取扱量がそれぞれ過去最多を記録したと発表しており(2022年8月2日記事参照)、今回の鉄道貨物輸送サービスの増強により、同港内の物流混雑緩和が期待される。

ワトコのダン・スミス最高経営責任者(CEO)は「当社は、コーパスクリスティー港や顧客と協力しながら、鉄道インフラ整備への投資を継続していく」と述べている。

コーパスクリスティー港のクラーク・ロバートソン最高執行責任者(COO)は「当港は、世界水準のサービスとインフラを既存の顧客と潜在的な新規顧客に提供できることを誇りに思う」「ワトコの今回のインフラ投資は港内の貨物輸送強化に寄与するものであり、今後、顧客に良質な貨物輸送サービスを提供するためにワトコとの協業を楽しみにしている」と述べている。

米国では、西海岸港湾の物流混乱とも相まって、メキシコ湾岸や東海岸の港湾の貨物取扱量が増加している。コーパスクリスティー港と同じくテキサス州内の主要港であるヒューストン港は720日、6月のコンテナ取扱量が前年同月比11%増の323,823TEU20フィートコンテナ換算)と2桁の伸びを示し、6月の月間コンテナ取扱量としては過去最高を記録したと発表した(2022年7月26日記事参照)。ジョージア州サバンナ港でも、4月から6月にかけていずれも月間コンテナ取扱量の過去最高記録を更新している(2022年7月29日記事参照)。

(注)米国の貨物鉄道会社は売り上げに応じて一級鉄道、二級鉄道、三級鉄道に区分される。

(沖本憲司)

(米国)

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