米司法省、トランプ氏家宅捜索めぐり宣誓供述書を一部公開
(米国)
米州課
2022年08月30日
米国の司法省は8月26日、連邦捜査局(FBI)がフロリダ州パームビーチにあるドナルド・トランプ前大統領の邸宅「マール・ア・ラーゴ」を捜索するのに必要な、令状請求に使用された宣誓供述書の一部を公開した。FBIは8月8日、トランプ氏の邸宅を捜索し、機密情報を含めた文書を押収している(2022年8月17日記事参照)。
公開された宣誓供述書は大部分が黒塗りにされているものの、米国立公文書館が1月にトランプ氏の邸宅から回収した資料について、FBI捜査官が5月に確認したところ、184件の機密文書が含まれていたことが明らかになった。このうち25件は、最高機密に分類される文書だとされている。
当初、司法省は宣誓供述書を公開しない方針だったが、報道機関が当該供述書の公開を申し立てたところ、捜査令状を求める決定を承認したブルース・ラインハート連邦治安判事が、8月25日に編集した宣誓供述書の公開に承認したという(ロイター8月26日)。今回の宣誓供述書のような文書は、捜査に支障がでるとして、通常、捜査の進行中は公開されない。だがラインハート判事は、前大統領への前例のない家宅捜索に対する国民の関心の高さから、少なくとも宣誓供述書の一部を公開することが正当化されると述べた(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版8月27日)。
一方、トランプ氏側は8月22日、FBIが押収した文書の取り扱いについて、第三者の立場で監督する「特別管理者」の任命を求めて提訴するとともに、26日には、押収文書の捜査差し止めや捜索令状の範囲外の文書返却を求めて、補足動議を提出した。
(今井未来)
(米国)
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