台湾外交部、蔡英文総統とペロシ米下院議長の会談成果を強調

(台湾、米国、中国)

中国北アジア課

2022年08月04日

台湾外交部は8月3日、米国連邦議会のナンシー・ペロシ下院議長一行の8月2、3日の訪台について(2022年8月3日記事参照)、成果は豊富で、米国は台湾に対する強固な支持を重ねて表明したと総括する声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。

3日午前に行われた蔡英文総統とペロシ下院議長一行との会見には、台湾側から頼清徳・副総統、顧立雄国家安全会議秘書長、吳釗燮外交部長などが同席した。蔡英文総統は、ロシアのウクライナ侵攻後、台湾海峡の安全は世界中から注目を集めているとし、台湾が侵略を受ければ、アジア太平洋地域全域が多大な影響を受けると述べて、台湾の基本的態度として以下3点を表明した。

  1. 高まる軍事的脅威に対し、台湾は委縮することなく、民主主義の防衛線を堅持する。
  2. 台湾は最大の努力を払って自己防衛力を高め、台湾海峡の平和と安定の維持に力を尽くし、世界貿易とサプライチェーンの安定的な発展を目指す。
  3. 台湾は米国にとって頼れる、かつ信頼できるパートナーであり、アジア太平洋地域の安全と経済発展、人材育成、サプライチェーンにおける協力などを強化し、台湾と米国の関係を一層深化させる。

これに対して、ペロシ下院議長は、米国は台湾とともにあり、台湾は米国の議会から超党派の支持を得ていると強調した。

米国が進める半導体のサプライチェーン強化に関し、ペロシ議長は訪台中に台湾の半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音会長と面会したとされるが(2022年8月4日記事参照)、TSMCからコメントは発表されていない。なお、TSMCの劉徳音会長は7月31日にCNNのインタビューに応じ、「TSMCの発展は台湾の平和と安定という基礎の上に成立してきたものだ。戦争が起こればビジネスでは誰もが敗者となり、ビジネス界でそれを望む人はいない」とコメントしている。

(江田真由美)

(台湾、米国、中国)

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