インドネシア中銀、3年9カ月ぶりに政策金利を引き上げ、3.75%に
(インドネシア)
ジャカルタ発
2022年08月29日
インドネシア中央銀行(BI)は8月23日、8月22日から2日間にわたり行われた理事会の結果、政策金利である7日間リバースレポ金利を3.75%に引き上げると発表した(8月23日付BIプレスリリース)。併せて、翌日物預金ファシリティー金利、貸付ファシリティー金利についてもそれぞれ3.00%、4.50%に引き上げた。政策金利の引き上げは2018年11月以来、3年9カ月ぶりとなる。
プレスリリースにおいて、同行は政策金利の引き上げについて、燃料価格や食品などを中心に高まっているインフレ圧力とそれに伴うリスクを軽減するための予防的かつ前向きな措置だとした。
インドネシア中央統計庁の発表によれば、7月の消費者物価指数の上昇率は、前年同月比4.94%、前月比0.64%と上昇を続けている。前年同月比では、2015年10月(6.25%)以降最大の上昇率となり、インフレ圧力が高まっている(2022年8月12日記事参照)。一方、経済成長は輸出の伸びが全体を牽引して、2022年第2四半期のGDP成長率は前年同期比5.44%となり、2021年第4四半期以降5%台の成長率を続けている(2022年8月26日記事参照)。
BIのペリー・ワルジヨ総裁は、世界の金融市場における不確実性が高まる一方で、国内では経済成長の勢いが強まるとし、今回の引き上げ措置は「強まりつつある国内の経済状況を考慮し、ルピアの安定化を狙ったものだ」とした。今後数カ月で利上げが行われる可能性があるかどうかについては言及しなかった(「コンタン」8月23日)
(尾崎航)
(インドネシア)
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