7月のインフレ率は前年同月比4.94%、上昇幅が拡大

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年08月12日

インドネシア中央統計庁(BPS)は81日、7月の消費者物価指数(CPI)の上昇率を前年同月比4.94%、前月比0.64%上昇と発表した(添付資料「表 20227月の消費者物価指数」、「図 消費者物価指数の推移」参照)。前年同月比では、201510月(6.25%)以降で最大の上昇率となった。食品・飲料・たばこの価格上昇が前年同月比9.35%と最も高かった。

前年同月比のCPI上昇率は、11主要品目のうち、情報・通信・金融サービスのみが下落した。食品・飲料・たばこが9.35%(前月は8.26%、2022年7月20日記事参照)と上昇率が最も高く、全体の上昇率を引き上げた。そのほか、輸送(6.65%)、家庭用機器・工具・定期メンテナンス(4.91%)、パーソナルケア・その他サービス(4.79%)の上昇率が高かった。

前月比でも、食品・飲料・たばこが1.16%上昇したほか、輸送が1.13%上昇した。そのほかでは、住宅・水道・電気・家庭用燃料(0.47%)、教育(0.34%)とレストラン(0.34%)の上昇率が高かった。悪天候による産地の不作が、農産物の価格上昇に影響を与えた。そのほか、燃料上昇に伴う航空券の価格上昇などの影響が大きかった。

インフレ構成項目別では、価格変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアインフレ率は前年同月比2.86%、前月比0.28%だった一方、食品やエネルギーなどの項目は前年同月比11.47%、前月比1.41%上昇した。特に、食品の変動価格が前年同月比10.88%、前月比1.35%上昇したことが主な要因だった。続いて、政府の公定価格が前月比1.17%上昇となった。

地域別にみると、調査対象となっている90都市全てで上昇した。ジャカルタ首都特別州では、前年同月比3.5%、前月比0.57%の上昇だった。

スリ・ムルヤニ財務相は「グローバルコモディティー価格の高騰やインドネシア国内のサプライチェーンの問題がインドネシアのインフレ上昇に影響を与えた」としながらも、政府が石油・ガスおよび電気料金の安定化のため、補助金により燃料価格を維持していることを背景に、「グローバルエネルギー価格の高騰は、国内インフレ率に大きく影響しない」と述べた(「テンポ」81日 )。

(尾崎航、デシー・トリスナワティ)

(インドネシア)

ビジネス短信 8c7c27c50cbc225d