インドネシアの第2四半期のGDP成長率は5.44%、成長幅が拡大
(インドネシア)
ジャカルタ発
2022年08月26日
インドネシア中央統計庁(BPS)は8月5日、2022年第2四半期(4~6月)のGDP成長率を前年同期比5.44%と発表した。インドネシアの経済成長率は、2021年第2四半期にマイナスからプラスに転じ、2021年第4四半期以降は5%台の成長を維持している(添付資料図参照)。
支出面からみると、公的支出を除く全ての項目でプラスとなった。公的支出は5.24%減だったが、マイナス幅は前期から2.35ポイント改善した。輸出と輸入はそれぞれ19.74%増、12.34%増と前期に続き2桁の成長幅だった。GDPの半分超を構成する消費は5.51%の成長だった(添付資料表参照)。
産業別では、行政・防衛・社会保障(1.73%減)と教育サービス(1.15%減)を除きプラス成長となった。運輸・倉庫は21.27%増と、全セクターで最も成長率が高かった。次いで、宿泊施設・飲食が9.76%増と成長した。宿泊施設・飲食については、政府による社会制限・水際対策の緩和によって、人の往来が増加したことが背景にあるとみられる(「コンパス」8月5日)。
地域別では、マルク・パプア地域が13.01%増で最も高い成長率だったほか、GDPの5割を占めるジャワ島は5.66%増と成長幅が拡大した。スマトラ島とスラウェシ島は、それぞれ4.95%と6.47%の成長だった。ジャカルタ首都特別州での成長率は5.59%となり、前期の成長率から0.96ポイント増加した。
BPSのマルゴ・ユオノ長官は「世界的なコモディティー価格の高騰と貿易相手国における需要増が、輸出拡大につながり、第2四半期のGDP成長率に大きく貢献した」と述べ、石炭を含む鉱物性燃料や鉄鋼がGDP成長に寄与度の高い主要輸出品目だったとした(「リパブリカ」8月8日)。
インドネシア経済改革センター(CORE)のエコノミストであるモハマド・ファイサル氏は、5%を上回った第2四半期の経済成長率について、「ワクチン接種プログラムの推進などによる新型コロナウイルス感染の制御と、石油燃料・電気・ガスなどエネルギーへの追加補助金の財政政策の実行が裏支えした」としながらも、「今後、世界景気が後退すれば、貿易相手国からの商品需要減につながる可能性がある。GDP成長に大きく寄与しているインドネシアからの輸出に影響を与える可能性があるため、注意が必要だ」としている(「コンタン」8月9日)。
(尾崎航、デシー・トリスナワティ)
(インドネシア)
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