中銀、2022年の経済成長率をマイナス33.4%と予測

(ウクライナ)

欧州ロシアCIS課

2022年08月03日

ウクライナ経済の見通しが暗い。ウクライナ国立銀行(NBU、中央銀行)は728日、2022年における実質GDP成長率予測をマイナス33.4%と発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

予測の理由についてNBUは、a.ウクライナ東部および南部における戦闘行為、b.東部および南部以外の地域におけるインフラ設備の破壊、c.港湾の封鎖、d.多くの経済セクターにおける需要の弱さ、e.地雷の設置や農業設備の損害などに起因する農業活動の弱体化を挙げている。

NBUは、経済の回復が見込まれるのは2023年以降となり、2023年は5.5%、2024年は4.9%成長するとしている。消費者需要や投資の回復、物流網の確立などが要因。

また、NBU2022年末時点のインフレ予測を前年末比31.0%と発表した。ロシア軍によるウクライナ国内のインフラや生産施設の破壊により物流網に混乱が生じることなどが要因。

NBU721日、戦時下におけるウクライナ経済の回復を後押しするため対ドルのフリブニャ為替レートを1ドル=25.2549フリブニャから36.5686フリブニャに切り下げている(2022年7月22日記事参照)。

世界銀行は410日、2022年におけるウクライナの経済成長率見通しをマイナス45.1%と発表している(2022年4月13記事参照)。

(宮下恵輔)

(ウクライナ)

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