ジェトロ、緑茶輸出拡大の機捉え、オーガニック展示会で日本茶PRワークショップ開催

(ドイツ、日本)

ベルリン発

2022年08月22日

ジェトロは、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)と連携し、ドイツ南部バイエルン州ニュルンベルクで72629日に開催された世界最大級のオーガニック食品見本市「ビオファ(BIOFACH2022」(202289日記事参照)で、ベルリン在住の日本茶大使(注)の田辺結美氏を講師に迎え、日本茶をPRするワークショップを726日と28日の2回開催した。

日本の財務省貿易統計によると、2021年に緑茶は日本の農林水産・食品分野の対ドイツ輸出品目の中で1位で、前年比73.9%増の202,100万円の輸出額を記録した。ドイツは緑茶の輸出先として、米国に次ぐ世界2位を占めている。

今回、ジェトロはビオファ2022でジャパンパビリオンを出展し、日本茶を中心に、調味料や発酵食品の企業の次の14社が出展した。みて(神奈川県)、加賀建設(石川県)、丸松製茶場(静岡県)、流通サービス(静岡県)、むそう商事(大阪市)、アイシン商事(大阪市)、藤二商会(京都市)、茶匠六兵衛(京都市)、光食品(徳島県)、和香園(鹿児島県)、かごしま有機生産組合(鹿児島県)、SUI/TEN(静岡県)、高田茶園茶濃香(京都府)、杉本商店(宮崎県)。

出展者の多くが日本茶を取り扱っていることを受け、ジェトロとJFOODOは商談とプロモーションの相乗効果を発揮すべく、ドイツをはじめとする欧州各地の日本茶のバイヤーやインフルエンサーを招待し、日本茶のワークショップを実施した。

冒頭で、和爾俊樹(わに・としき)ジェトロ・ベルリン事務所長は、日本茶が従来の健康機能だけでなく、精神機能性を高める「マインドフルネス・ビバレッジ」としてドイツで普及する可能性について言及した。7月28日には、前川信隆・在ミュンヘン日本総領事が登壇し、日本の文化としての日本茶がますます広がり、経済面のみならず文化面でも日本とドイツ両国の交流の深化につながることへの期待を述べた。

講師の田辺氏は風味の比較のため、3つの異なる温度、40度、70度、100度でいれた玉露を勧めたほか、水出し玉露を冷たい炭酸水で割ったスパークリンググリーンティーなどを振舞った。

参加者からは「40度でいれたお茶の甘味に大変驚いた」「スパークリンググリーンティーの色の美しさと、すっきりした喉越しに新たな発見があった」などの声があり、真剣な面持ちで茶を取り扱おうとする意欲が見られた。

ワークショップには、ドイツ中の有力な日本茶バイヤーをはじめ、大手食品輸入卸事業者、お茶の産業団体、ヘルスケア分野の企業、メディア、日独交流団体などの関係者が集まり、合計で約40人が参加した。参加者には、ワークショップに合わせてジャパンパビリオンを訪問し、出展企業との商談が進んだバイヤーもいた。

写真 ドイツの有力バイヤーなどに日本茶の魅力を解説する日本茶大使の田辺結美氏(ジェトロ撮影)

ドイツの有力バイヤーなどに日本茶の魅力を解説する日本茶大使の田辺結美氏(ジェトロ撮影)

写真 日本茶PRキービジュアル(JFOODO提供)

日本茶PRキービジュアル(JFOODO提供)

(注)日本茶輸出促進協議会が任命。

(小菅宏幸、小飼志保)

(ドイツ、日本)

ビジネス短信 642c3e6ed2c29faa