7月の乗用車販売は回復傾向、前年同月比11%増
(インド)
ベンガルール発
2022年08月22日
インド自動車工業会(SIAM)は8月12日、自動車統計(出荷ベース)を発表した。2022年7月単月の乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は、前年同月比11.1%増の29万3,865台となった(添付資料表1参照)。自動車全体(乗用車、二輪車、三輪車)の販売台数合計は、10.6%増の170万6,545台だった。また、2022年4~7月の自動車全体の販売台数は、前年同期比38.7%増の641万7,903台となった。
SIAMのラジェシュ・メノン事務局長はプレスリリースで、「乗用車、二輪車、三輪車のエントリーモデルの売れ行きがまだ回復していない」ことを述べた。そのうえで、インド準備銀行が3会合連続で政策金利(レポレート)を引き上げたことによる自動車ローンのコスト上昇が、さらなる足かせとなる可能性を指摘した(2022年8月12日記事参照)。一方で、政府がインド国産の天然ガスを輸送部門のCNG(圧縮天然ガス)向けに優先的に割り当てる決定をしたことに対して感謝の意を示し、「CNG小売価格の引き下げにつながり、消費者に利益が還元される」と期待を示した。
7月単月を部門別でみると、一般乗用車は前年同月比10.3%増の14万3,522台、UVは10.5%増の13万7,104台、バンは28.5%増の1万3,239台を販売した。
メーカー別乗用車販売をみると、首位のマルチ・スズキは前年同月比6.8%増の14万2,850台を、地場のマヒンドラ&マヒンドラは33.3%増の2万8,053台となった(添付資料表2参照)。韓国の現代は5.1%増の5万500台、起亜は46.7%増の2万2,022台の販売実績を残した。日系メーカーでは、トヨタ・キルロスカが50.3%増の1万9,691台と販売台数を伸ばした。なお、地場のタタ・モーターズはSIAMの7月単月の統計には含まれていないが、同社発表によると、4万7,505台(前年同月比57%増)を売り上げたようだ。
車種別の販売台数上位は、一般乗用車では、スズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など計8万4,818台)、現代のコンパクトモデル(「オーラ」など計2万894台)だった。また、UVでは、マヒンドラ&マヒンドラのコンパクトUV(「ボレロ」など計1万7,470台)、現代の中型UV(「クレタ」1万2,625台)が売れ筋となった。
7月単月の二輪車販売は138万1,303台で、前年同月比9.6%の増加となった(添付資料「表1 2022年7月の部門別自動車の国内販売台数」、「表3 2022年7月の主要メーカー別二輪車国内販売台数」参照)。主要部門のオートバイは3.9%増の87万28台を、スクーターは28.2%増の47万9,159台を販売し、前年同月から実績を伸ばしたが、モペッドは34.8%減の3万2,116台と減速した。
8月15日のインド独立記念日には、ベンガルール市内で、インド国旗を車体横に取り付けて走る車を多く見かけた(ジェトロ撮影)
(倉谷咲輝)
(インド)
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