エストニアとラトビア、中国との協力枠組みを離脱

(エストニア、ラトビア、中国)

欧州ロシアCIS課

2022年08月17日

エストニアとラトビアの外務省は811日、中国と中東欧諸国の協力枠組み「中国+中東欧諸国16カ国」(注1)から離脱することを、それぞれ発表した(エストニア外務省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますラトビア外務省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

「中国+中東欧諸国16カ国」の枠組みは、20124月に、新シルクロード経済構想「一帯一路」の一環として、中国外務省の主導で発足した(2019年10月18日記事参照)。中国同枠組みに関するウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、同枠組みは、中国と中東欧諸国に互恵的な協力と発展を目指す地域間協力プラットフォームとして、首脳会議を指針としながら進化してきた。現在は、経済と貿易のほか、文化、教育、科学技術などさまざまな分野を取り扱っている。直近の首脳会議は、20212月に北京で開催された。

ラトビア外務省のプレスリリースによると、今回の離脱は、同国の外交・通商政策の現在の優先順位に鑑みて決定したもの。エストニアとラトビアの外務省はそれぞれ、今後も国際ルールに基づく秩序と人権などの価値観を尊重しながら、EU・中国関係の発展を含む、中国との建設的かつ実利的な関係を築く努力をしていくとしている。

リトアニアは、2021年に既に同枠組みから離脱している。リトアニアのガブリエリウス・ランズベルギス外相は20215月、米国のニュースメディア「ポリティコ」に対して、「リトアニアは実利的な目的のために離脱した」と述べ、「EU27の加盟国全てが、EUの機関とともに行動することで最強となる」として、同枠組みに参加する他のEU加盟国にも、追随して離脱するように促していた。エストニアとラトビアの離脱により、同枠組みに参加する中東欧諸国は14カ国(注2)となる。

(注1)正式名称は、「Corporation between China and Central and Eastern European CountriesChina-CEEC)」。

(注2)アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ、ギリシャ、ハンガリー、北マケドニア、モンテネグロ、ポーランド、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニア。

(森友梨)

(エストニア、ラトビア、中国)

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