米エクソンとシェブロン、2022年第2四半期は過去最高益を計上

(米国)

ヒューストン発

2022年08月01日

米国石油大手のエクソンモービル(本社:テキサス州アービング)は729日、2022年第2四半期(4~6月)の決算を発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)も同日、同四半期の決算を発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。いずれも過去最高益を計上した。

エクソンモービルの2022年第2四半期の純利益は1785,000万ドルで、前年同期の純利益469,000万ドルから約4倍に増加した。

エクソンモービルのダレン・ウッズ会長兼最高経営責任者(CEO)は「石油・ガス増産のための継続な投資が、今回の高収益に大きく貢献している」と述べた上で、組織的なコスト削減や効率改善といった努力と並行して、国内有数のシェールオイルとシェールガスの生産地であるパーミアン盆地や世界各地の液化天然ガス(LNG)資産などの強みのあるポートフォリオへの継続的な投資を行うことの重要性を強調している。同時に、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)、バイオ燃料、水素の分野で事業機会を拡大するとしている。

シェブロンの2022年第2四半期の純利益は116億ドルだった。前年同期の純利益31億ドルと比較すると、エクソンモービルと同様、約4倍に増加した。

シェブロンは616日、パーミアン盆地での2022年の生産量見通しについて、前年比15%以上の増加となる日量70万~75万バレル(石油換算相当)に上方修正している(2022年6月17日記事参照)。同時に、カリフォルニア州やテキサス州沖合でのCCSプロジェクト(2022年5月19日記事参照2022年5月27日記事参照)、バイオ燃料供給拡大(2022年6月15日記事参照)など脱炭素化にも積極的に取り組んでいる。

ジョー・バイデン米国大統領は614日に石油大手7社(エクソンモービル、マラソン、バレロ・エナジー、フィリップス66、シェブロン、BP、シェル)に対して石油・ガス増産を促す書簡を送付し、エクソンモービルは615日にこの書簡に対し、石油ガスに関する多大な投資を継続し、国内生産も増えているなどとして反論を展開した(2022年6月16日記事参照)。同月21日には、シェブロンも書簡に対し同様の反論を展開した(2022年6月23日記事参照)。今回の両社の高収益を受けて、バイデン政権が石油大手への批判を強めるような事態になれば、バイデン政権と石油大手の溝がさらに深まることも懸念される。

(沖本憲司)

(米国)

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