大統領選の最新世論調査でボルソナーロ大統領が追い上げ、燃料価格低下を好感
(ブラジル)
サンパウロ発
2022年08月17日
ブラジル最大規模の投資会社BTGパクチュアルと民間調査機関FSBは8月8日、10月2日に迫ったブラジル大統領選挙に関する最新の世論調査結果を公開した。同調査は、8月5~7日に2,000人を対象に行ったもの。
各候補の支持率(注1)は、左派政党で労働者党(PT)所属のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ氏が41%、右派政党で自由党(PL)所属のジャイール・ボルソナーロ現職大統領が34%。続いて、第1次ルーラ政権(2003~2006年)で国家統合相を務めていた、中道左派政党で民主労働党(PDT)所属のシーロ・ゴメス氏が7%となった。
BTGとFSBが行った7月25日の大統領選世論調査結果では、ルーラ氏とボルソナーロ氏の支持率の差は13ポイントだったが、今回の調査でその差は7ポイントに縮まった。
8月8日付の現地紙「ガゼッタ・ド・ポーボ」は、国内における燃料価格(ガソリン、ディーゼル、エタノール)の低下がボルソナーロ氏に追い風となっていると説明した(2022年6月30日記事参照、2022年7月7日記事参照)。その説明として、BTGとFSBの調査結果から、燃料価格が少なからず低下したと回答した割合が63%となり、前回調査(7月25日)の54%から9ポイント増加したこと(注2)。さらに、燃料価格が低下したのは「現政権」によるものと回答した割合が42%となり、前回調査(7月25日)の38%から4ポイント増加したことを取り上げている(注3)。
他方、7月27、28日に実施(調査対象人数:2,556人)された民間調査会社ダッタ・フォーリャの大統領選挙世論調査によれば、依然としてルーラ氏がボルソナーロ氏に対して18ポイントリードしている。ただ、8月16日から各候補の選挙活動が解禁されることから、支持率の動向についてはまだ予断できない状況だ。
(注1)示された立候補予定者の中から「誰に投票するか」という意向を調査した結果を、支持率として記載している。
(注2)設問は、「先月と比べて燃料供給スタンドの燃料価格はどうなったか」。「とても上昇した」「少し上昇した」「変わらない」「少し低下した」「とても低下した」「分からない・無回答」から1つを選択してください」というもの。63%という結果は、「少し低下した」(50%)、「とても低下した」(13%)の合計。
(注3)設問は、「過去数週間で、国内の多くの州で燃料価格が低下しましたが、燃料価格が低下したことに主な役割を担ったのは誰だと思いますか(ランダムで1つを回答)」というもの。
(古木勇生)
(ブラジル)
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