議会常任委員長ポストの各党配分が決定、引き続き主要ポストは野党が掌握

(ペルー)

リマ発

2022年08月16日

ペルー議会は84日、20222023年会期(注1)における議会常任委員会の構成議員数と委員長ポストの配分案を賛成93票、反対1票、棄権1票の賛成多数で可決した。「ヘスティオン」紙が入手した13党による各委員長ポストの配分によると、前会期(2021年8月24日記事参照)に引き続き、「農業」「憲法規定」「経済・銀行・金融・財務情報」「会計監査」などの主要ポストを右派のフエルサ・ポプラール(人民勢力:FP)党が担うことになった。また、日本企業の投資が集中する鉱業分野を管轄する「エネルギー鉱山」や「運輸通信」に加えて「外務」の委員長には中道派のアクシオン・ポプラール(人民行動:AP)党から選出されることになり、いずれも野党側が掌握することとなった。

一方で、「予算・一般会計」や「生産・小規模零細企業・組合」の委員長には、中道左派とされているポデモス・ペルー(できるぞペルー:PP)党とソモス・ペルー(われわれはペルー:SP)党がそれぞれ選出されている。また、「労働・社会保障」は、左派のカンビオ・デモクラティコ・フントス・ポル・エル・ペルー(民主的変化・ペルーと共に:CD-JPP)党が担当する(その他各委員会の委員長ポストを担う党派は添付資料表参照)。

なお、今回の配分に対して、一部の党からは抗議が出ている。特に教職員で構成されている左派ブロケ・マヒステリアル・コンセルタシオン・ナシオナル(教員団体国家連合:BMCN)党は「教育・青少年・スポーツ」分野を希望していたにもかかわらず、「通商観光」など実績のない委員会が割り当てられた。8月に新たに結成されたインテグリダッド・イ・デサロージョ(誠実と発展:ID)党(注2)からも「構成議員の経験や知見を考慮していない配分だ」と非難の声が上がっている。

(注1)常任委員会メンバーの任期は1年となるが、国家機密を取り扱う情報委員会のみ本議会任期の5年間を通じて同じメンバーで構成される。

(注2ID党は元モラード(むらさき:PM)党とAP党議員によって結成された中道派新党で、これによってPM党は事実上解消されたといわれている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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