チン首相、ホーチミン市都市鉄道1号線の建設迅速化を指示

(ベトナム)

ホーチミン発

2022年08月12日

ベトナムのファム・ミン・チン首相は727日、ホーチミン市の都市鉄道1号線(ベンタイン~スオイティエン)プロジェクトの建設現場を視察し、行政手続きを簡素化して完成を急ぐよう指示した(交通運輸省機関紙「交通」727日)。

今回の視察には、ホーチミン市共産党委員会のグエン・バン・ネン書記のほか、チャン・バン・ソン政府官房長官、グエン・タイン・ギ建設相などが同行。視察は、建設プロジェクトの状況や問題点を把握し、解決策を見つけて建設を加速することを目的に実施された。

同建設プロジェクトは新型コロナウイルスの影響や行政手続きの遅れで、当初の計画よりも時間を要している(2022年5月17日記事参照)。現地報道によると、ホーチミン市人民委員会のファン・バン・マイ委員長は都市鉄道1号線を2023年第4四半期(1012月)までに完成するよう提案した(「VNエクスプレス」紙727日)。ホーチミン市都市鉄道管理局(MAUR)によると、都市鉄道1号線は2,000人以上の技術者と労働者を動員している上、建設のスピードアップを図っており、プロジェクト全体の進捗率は約91.39%だという。

また、チン首相はプロジェクトの進捗状況を踏まえ、ホーチミン市と同市に隣接するビンズオン省が協力して都市鉄道1号線を延伸させることを提案した。日本の国際協力機構(JICA)に対しては、都市鉄道1号線のプロジェクトを支援した経験を生かし、ホーチミン市で計画している他の都市鉄道路線に対しても調査・支援をすることを要請した(注)。

ホーチミン市では都市鉄道の建設によって、交通渋滞の解消や国内最大の商業都市としてさらなる近代化を遂げることが期待されている。

(注)現在、ホーチミン市では8つの都市鉄道建設計画がある。そのうちの1つの都市鉄道1号線は、総投資額が437,000億ドン(約2,535億円、1ドン=約0.0058円)で、その約8割がJICAの円借款供与。円借款によるハード面での支援のほか、運転士講習の実施などソフト面でも支援している(2020年10月21日記事参照)。

(児玉良平、村岡一機)

(ベトナム)

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