大連、非コールドチェーン輸入貨物の消毒とPCR検査が実質的に一部継続も

(中国)

大連発

2022年08月15日

中国国務院の新型コロナウイルス防疫メカニズム総合チームが712日に発表した、産業チェーンの保障とサプライチェーンの安定化に向けて輸入貨物に対する具体的な防疫措置についてとりまとめた「輸入貨物の新型コロナウイルス防疫措置のさらなる最適化に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(2022年7月15日記事参照)の影響もあり、大連市内の税関では、非コールドチェーン輸入貨物(以下、輸入貨物)の消毒とPCR検査が徐々に撤廃される動きが見られる。

大連市の日系メーカーは、毎日数個のコンテナで原材料が大連港に到着し、同じく数個のコンテナで完成品を日本向けに出荷している。同社によると、7月中旬までは入荷・出荷時ともに消毒作業が必要なため、負担が大きかったが、同通知公布後は貨物の消毒が不要となり、年50万元程度(約1,000万円、1元=約20円)の経費が削減されるという。

しかし、撤廃されたはずの消毒やPCR検査が実質的にまだ一部で継続しているとの声もある。大連市の物流業者によると、現場では718日前後から通知が施行されているが、所在地の社区によって対応が異なるため、消毒作業のため企業が独自でPCR検査業者を手配せざるを得ないケースもあるという。関係者は「感覚的には、半分程度の輸入貨物について引き続き、企業独自に消毒・PCR検査を手配している」とコメントしている。

大連市の日本食品輸入業者によると、輸入食品に関しても、最終顧客となるスーパーや小売店が引き続き消毒証明とPCR検査の陰性結果を求めているため、いまだに独自で業者を手配して実施しているという。国の政策では規制緩和が進められているものの、流通現場の一部では引き続き消毒およびPCR検査の実施を余儀なくされているとみられる。

(高文寧)

(中国)

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