カナダ保健省、ファイザー製ワクチンの5~11歳への3回目接種を承認

(カナダ)

トロント発

2022年08月24日

カナダ保健省は819日、5~11歳に対するファイザー・ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチン「コミナティ」の3回目接種を承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同省傘下のカナダ公衆衛生局の局長を務めるテレサ・タム博士が定例記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで明らかにした。

同年齢層へのファイザー製ワクチンの追加接種の承認は、米国では517日に承認されている(2022年5月23日記事参照)。カナダでは、同年齢層への新型コロナウイルスワクチン(1回目・2回目)として承認されているのはモデルナとファイザーの2種類のみで(2021年11月222022年7月19日記事参照)、同年齢層への3回目接種としての承認はファイザーが初となる。

タム博士は「3回目接種はこの年齢層、特に重症化するリスクの高い子どもたちの防御力を回復させる上での素晴らしい選択肢となる」と述べた。

国家予防接種諮問委員会(NACI、注1)も19日、5~11歳を対象とした3回目接種に関する勧告を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。それによると、新型コロナウイルスによる重症化のリスクが高い基礎疾患を持つ511歳の小児(免疫不全の小児を含む)へは、2回接種完了から少なくとも6カ月後に、10マイクログラム(注2)の「コミナティ」ワクチンの3回目接種を提供する「必要がある」としている。一方、同年齢層の他の全小児に対しては、疫学的リスクが高まっている状況では、2回目接種から少なくとも6カ月経過後の10マイクログラムの「コミナティ」ワクチンの3回目接種を「提供してもよい」とする勧告にとどまっている。

カナダ公衆衛生局の発表によると、814日時点で同年齢層の2回接種完了率は42.4%にとどまり、12歳以上の90.0%と比較しても低くなっている。

タム博士は「多くの地域で新型コロナウイルスの症例数は直近のピークを過ぎ、週当たりの感染者数は減少傾向にあるようだが、幾つかの例外もある」とした上で、「生徒が学校生活に戻り、人々が夏休みから仕事に戻り、カナダ人が総じて屋内中心の生活に戻り始めることから、今秋に起こりうる流行に備えるため、予防接種を最新の状態にすることが最優先事項だ」と述べている(CTVニュース819日)。

(注1NACIは、小児科、感染症、社会科学、公衆衛生など各分野の専門家で構成される。連邦政府が承認しているワクチンの使用指針を提供している。

(注2)マイクログラムは1グラムの100万分の1の単位。

(飯田洋子)

(カナダ)

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