カナダ保健省、生後6カ月~5歳対象のモデルナ製新型コロナワクチンを承認

(カナダ)

トロント発

2022年07月19日

カナダ保健省は7月14日、生後6カ月~5歳の小児を対象として、モデルナ・スパイクバックス新型コロナウイルスワクチンの使用を承認したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。カナダでは、5歳以上にはファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの使用が認められているが、5歳未満への新型コロナウイルスワクチン使用が承認されたのは今回が初めてで、カナダ国内の約170万人の子供たちへの新型コロナウイルス予防接種が可能となった。

同年齢層へのワクチン使用承認は、米国では米国食品医薬品局(FDA)が6月17日付で先行している(2022年6月20日記事参照)。

モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンについては、同省ではこれまで、2020年12月23日に18歳以上、2021年8月27日に12~17歳、2022年3月17日に6~11歳を対象として使用承認を行ってきた。4月29日にモデルナから同ワクチンの適応拡大申請を受理後、審査の結果、生後6カ月~5歳に対するワクチンの有益性がリスクを上回ると判断したという。

臨床試験では、米国とカナダでオミクロン株が優勢な時期に有効性が検証され、生後6カ月~5歳の免疫反応は18~25歳の免疫反応と同等であることや安全性の面での危険な兆候は認められなかったことを発表した。

また、投与方法は、6~11歳に許可された用量の半分、12歳以上用の4分の1に相当する、25マイクログラム(注1)の2回投与を4週間間隔で行うことを認可した。ただし、国家予防接種諮問委員会(NACI)(注2)は、投与間隔を長くすることでより強固な免疫反応が得られるという証拠が増えてきたことから、投与間隔を少なくとも8週間に延長することを推奨外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。また、投与間隔を長くすることで、まれな副反応である心筋炎のリスクをさらに低減できる可能性があるとした。

なお、カナダ保健省の承認は、モデルナによる同年齢層でのワクチンの安全性と有効性に関する継続的な情報提供を行うことが条件となっており、同省や傘下のカナダ公衆衛生局では、今後も同ワクチンの安全性を注意深く監視し、安全性に関する懸念が確認された場合には対応していくとしている。

(注1)マイクログラムは、1グラムの100万分の1の単位。

(注2)NACIは、小児科、感染症、社会科学、公衆衛生など各分野の専門家で構成し、連邦政府に新しく承認されたワクチンの使用に関する指針を提供している。

(飯田洋子)

(カナダ)

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