人民銀行、下半期業務会議で7項目の施策発表

(中国)

中国北アジア課

2022年08月05日

中国人民銀行(中央銀行)は8月1日、2022年下半期業務会議を開催、易綱総裁と郭樹清副総裁が出席して発言した。経済・金融に関する共産党中央委員会と国務院の決定事項に基づき、上半期の業務を総括した上で(2022年7月22日記事参照)、下半期に金融市場を安定させつつ、経済回復を確かなものとするための具体的施策として、以下の7項目を挙げた。

  1. 貨幣と信用供与の安定的かつ適度な増加を保持。各種金融政策を用いて流動性を合理的水準に維持し、金融機関による貸し出し増加を促すとともに、貸出金利が安定的に低下するよう誘導。人民元の為替レートを合理的かつバランスの取れた水準に維持。インフラ建設や民間中小零細企業、その他の重点分野への支援を強化。
  2. 重点分野のリスクを穏当に解消。中小規模の銀行のリスク管理・解消。都市に応じた政策を展開し、差別化した有効な住宅ローン政策を実施。
  3. マクロプルーデンス管理(注1)の改善、マクロプルーデンスのストレステストを実施。システム上重要な銀行(注2)に追加的な監督管理要求を実行し、システム上重要な保険会社に対する評価手法を導入。金融持ち株会社の市場へのアクセスを改善し、金融持ち株会社に対する全面的な監督管理を実施。
  4. 金融市場改革の深化。店頭債券市場の発展を加速させ、債券・金・通貨・デリバティブ市場の健全な発展を促進。国外機関による中国内での債券発行の資金管理を改善し、対外開放を目的に銀行間債券市場と証券取引所債券市場(注3)の資金管理政策の統一、国内企業の国外上場のため為替管理政策の改善を図る。多国籍企業のための人民元・外貨一体化キャッシュプーリングの試験運用を着実に推進。外貨準備の運営管理能力を強化。
  5. 着実に人民元の国際化を推進。貿易や投資での人民元建て決済の市場基盤を強化。オフショア人民元取引の健全な発展を支持。
  6. 国際金融ガバナンスへのより深い参画。G20の持続可能な金融経済発展のリーダーシップを継続。
  7. 金融サービスや管理水準の持続的向上。金融関連法体系の統一的構築を推進。

中国の格付け機関の東方金誠国際信用評価の王青首席マクロアナリストは「中国人民銀行が下半期の施策とした『流動性の安定や企業への貸出支援の強化』は、7月の中央政治局会議(2022年8月2日記事参照)の経済政策方針と合致する。中国の現状をみると、依然として緩やかな消費回復、不動産市況の低迷などの問題を抱えたままであり、経済回復の基盤は依然として確固たるものではなく、支援的な経済・金融環境を提供する施策が引き続き必要なため」と指摘した。

(注1)金融システム全体のリスクの状況を分析・評価し、それに基づいて制度設計・政策対応を図ることを通じて、金融システム全体の安定を確保する政策。

(注2)中国工商銀行、中国銀行、中国建設銀行、中国農業銀行、交通銀行、招商銀行、興業銀行、上海浦東発展銀行、中信銀行、中国民生銀行、中国郵政貯蓄銀行、平安銀行、中国光大銀行、華夏銀行、広発銀行、寧波銀行、上海銀行、江蘇銀行、北京銀行の19行。

(注3)証券取引所債券市場とは、銀行などの金融機関を除く法人と個人が主体となる債券市場。

(亀山達也)

(中国)

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