人民銀行、実体経済への貢献強化に引き続き注力

(中国)

中国北アジア課

2022年07月22日

中国国務院新聞弁公室と中国人民銀行(中央銀行)は713日、2022年上半期金融統計に関する記者会見を開催した。会見の冒頭で、中国人民銀行の阮健弘スポークスマン兼調査統計司長は「2022年上半期は、預金準備率を0.25ポイント引き下げたことにより、流動性は合理的で十分な水準となり(2022年5月23日記事参照)、実体経済に対する金融支援は大きかった」と強調した。その根拠として、6月末のマネーサプライ(M2)残高は前年同月末比11.4%増の2581,500億元(約5,163兆円、1元=約20円)となり、16月の社会融資総量の前年末からの累計増加額は21兆元、そのうち人民元貸し出しは136,800億元の増加だったことなどを挙げた。

また、阮スポークスマンは、信用構造が引き続き最適化されている点や、企業の総合的な資金調達コストが安定的に低下している点を挙げ、金融サービスの質と効率が向上したと指摘した。その背景として、6月末時点の製造業向け中長期融資残高が前年同月末比29.7%増に、小規模零細企業向け融資残高は23.8%増になったことと、6月の企業向け新規貸出金利は4.16%(前年同月比0.34ポイント低下)となったことなどを挙げた(注)。中国人民銀行は今後も実体経済に対する支援を強化し、高品質な経済発展を促進するとしている。

質疑応答では、中国人民銀行貨幣政策司の鄒瀾司長は同行の全国50都市の都市部預金者向け(計2万人)アンケート調査に触れ、「第2四半期(46月)の調査では『さらに貯蓄をしたい』と答えた割合は58.3%と、第1四半期(13月)に対して3.6ポイント上昇した。これに対して『さらに投資をしたい』という割合は17.9%と、第1四半期対比3.7ポイント減少した」と指摘した(添付資料図参照)。その主な要因として、46月の局地的な新型コロナウイルス感染再拡大で、個人の流動性選好の意向が高まったことや、資本市場が大きく変動したことによる個人のリスク選好意欲が低下したことを挙げた。その上で、6月は新規預入定期預金の金利が前年同月比0.16ポイント減の2.5%と大きく低下した事に触れつつ、新型コロナウイルス感染拡大が徐々に抑えられれば、個人の投資・消費意欲は回復していくものとの期待を示した。

(注)今回の記者会見に先立って中国人民銀行が公表した2022年上期金融統計報告では、6月末の人民元貸出残高は2063,500億元(前年末比136,800億元の増加)、外貨貸出残高は8,926億ドル(同201億ドルの減少)、人民元預金残高は251500億元(同188,200億元の増加)、外貨預金残高は9,867億ドル(同103億ドルの減少)と報告。

(亀山達也)

(中国)

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