米国保護者の43%が5歳未満の子供へのワクチン接種を望まず、米財団調査

(米国)

米州課

2022年08月04日

米国食品医薬品局(FDA)は617日、ファイザー・ビオンテックおよびモデルナの新型コロナウイルスワクチンについて、緊急使用許可の対象年齢を生後6カ月以上に引き下げると発表したが(2022年6月20日記事参照)、米国で5歳未満の子供を持つ保護者の43%が、自身の子供に当該ワクチンを接種させたくないと考えていることが分かった。新たな対象者における接種率は、さほど向上しない可能性がある。

カリフォルニア州に拠点を置く非営利団体のカイザー・ファミリー財団は726日、5歳未満の子供を持つ米国成人1,847人を対象に、同月717日に実施した新型コロナウイルスワクチンに関する意識調査の結果を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この調査結果によると、6カ月から4歳までの子供に「既にワクチンを接種させた」が7%、「まもなく接種させる」が10%、「様子を見ている」が27%、「必要な場合に限って接種させる」が13%、「間違いなく接種させない」が43%となった。中でも、共和党支持者とワクチン未接種者の64%は「間違いなく接種させない」と回答し、それぞれ民主党支持者(21%)とワクチン接種者(27%)の割合よりもはるかに高かった。

子供のワクチン接種を予定していない保護者の中で、「時期尚早、試験・研究が不十分」と考える人の割合は19%に上り、「副反応が心配」(14%)、「安全性を懸念」(13%)、「不必要、新型コロナウイルスを心配していない」(11%)がこれに続いた。ワクチン未接種の保護者のうち、89%はワクチンの長期的な影響について十分に知らないことを懸念しており、副反応を懸念する声も83%に上った。ワクチン接種済みの保護者においても、79%がワクチンの長期的な影響を十分に知らないこと、74%が副反応を懸念しており、ワクチンに対する不安感は全体として拭い切れていない。また、5歳未満の子供へのワクチン接種に関する連邦保健当局からの情報について、高所得世帯(9万ドル以上)の55%は分かりやすいと感じている一方、低所得世帯(4万ドル以下)の58%は分かりにくいと回答している。

米国疾病予防管理センター(CDC)によると、727日時点で、ワクチンを少なくとも1回接種した米国人は78.8%、(ブースター接種を除く)接種完了者は67.2%、ブースター接種1回完了者は48.3%、ブースター接種2回完了者は50歳以上で30.9%、65歳以上で37.8%となっている。

(片岡一生)

(米国)

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