米ヒューストン港で初のゼロエミッション電気トラック導入

(米国)

ヒューストン発

2022年06月09日

総取扱貨物量が全米2位(2019年)のヒューストン港は6月7日、米国のトラック運送会社サンバースト・トラック・ラインズ(本社:テキサス州ヒューストン)と米国の大型商用電気自動車(EV)メーカーのニコラ(本社:アリゾナ州フェニックス)との提携により、港湾域内でのドレージ輸送向けに、同港初となるゼロエミッションの電気トラックを導入したと発表した。トラックは、ヒューストン港のベイポート・コンテナターミナルからコンテナを引き取り、目的地へと無事配送を完了したとしている。

今回導入のトラックはニコラが製造を担った。動力にはディーゼルの代わりにバッテリーを使用するため、温室効果ガスなどの排出削減が期待される。航続距離は最大350マイル(563キロメートル)で、1時間半強でバッテリー容量の80%まで充電することが可能としている。

ヒューストン港のロジャー・ゲンター事務局長は「われわれは最近、ヒューストン港を2050年までにカーボンニュートラルにするとした目標(2022年4月14日記事参照)を発表したばかりだが、その数週間後にゼロエミッションの電気トラックを導入することができた。ヒューストン港でゼロエミッションを実現するという、持続可能性の長期的な目標達成に向けて一歩ずつ前進している」と取り組みの進捗に自信を示した。さらに「船舶、トラック、テナント、そのほかの事業者を含むサプライチェーン全体で温室効果ガスの削減が必要だ」と述べ、ニコラ、サンバーストとの今回の提携を評価した。

また、配送トラックの脱炭素化の取り組みとして、米国石油大手シェブロンの子会社シェブロンU.S.A.(本社:カリフォルニア州サン・ラモン)、米国エンジンメーカーのカミンズ(本社:インディアナ州コロンバス)、米国小売り大手ウォルマート(本社:アーカンソー州ベントンビル)は6月8日、再生可能天然ガスエンジンの実証に取り組むと発表した(2022年6月9日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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