「自動車・エレクトロニクス分野官民協議会」発足

(カンボジア)

プノンペン発

2022年07月14日

カンボジア開発評議会(CDC)(注)は、カンボジアの成長戦略の一環として、自動車・エレクトロニクス分野を主要産業に据えるため、「カンボジア自動車・エレクトロニクス分野官民協議会」を立ち上げることを76日に発表した。官民が連携して、同分野に関する政策や法律の起草、各種課題解決に取り組むため、民間企業からの協議会参加を呼び掛けた。

カンボジア政府は、同協議会発足に先立ち、自動車・エレクトロニクス分野の産業育成に関するロードマップを作成している。第1フェーズとして、2027年までの5年間で、サプライチェーンの一環を担う部品産業の誘致・発展に取り組む。自動車関連分野では、ワイヤーハーネス、シート、オーディオなど車載用製品などを重点業種とする予定。エレクトロニクス分野では、コネクター、ケーブル、高性能プリント基板(PCB)の組み立てを重点業種とする。カンボジア政府は、これら産業がカンボジアに根差し、サプライチェーンの一環を担うことで、2027年までに同分野において輸出額21,000万ドル(自動車5,000万ドル、エレクトロニクス16,000万ドル)の達成を目指す。2028年から始まる第2フェーズでは、2038年までの10年間でより複雑な部品の製造と、付加価値の高い自動車の組み立て・設計を行い、将来的にはカンボジアが自動車の製造拠点のハブとして機能することを目指す。

工業科学技術革新省によると、カンボジアでは20221月現在、10の自動車組み立て工場が立地しており、複数の新規投資プロジェクトが発表されている(「クメールタイムズ」2022114日)。また、部品関連では、ワイヤーハーネス企業を中心として、新型コロナウイルス禍においても順調に業績を伸ばしており、今後の成長が期待される分野だ。

ソクチェンダ・ソピア首相補佐特命相兼CDC事務局長は「カンボジアが自動車・エレクトロニクス分野における重要拠点となるためには、民間部門の協力は不可欠で、本協議会を通じて官民で協力していきたい」とコメント。国内外を問わず、カンボジアにおいて当該分野の開発に協力する意思のある投資家の参加を広く募集する考え。

1回の協議会は、20227月(4週目を予定)に開催の予定。カンボジア政府側からアクションプランとタイムラインを説明し、民間企業からの協力方法について意見交換をする。同協議会への参加希望者はCDCに直接申し込みするほか、ジェトロを通じて申し込むことも可能(715日までの申し込み分に限定:CPH@jetro.go.jp)。

(注)CDCは、カンボジアにおける復興・開発および投資活動における唯一の政府機関で、全ての復興・開発・投資プロジェクトに関する評価と意思決定を行う(投資促進機関 | カンボジア - アジア - 国・地域別に見る - 参照)。

(春田麻里沙)

(カンボジア)

ビジネス短信 f11f30e64da06f8f