IMF、米2022年GDP成長率見通しを2.3%に下方修正、失業率は3.7%に引き上げ
(米国)
米州課
2022年07月14日
IMFは7月12日、米国経済に関する年次経済審査の結果を公表
した。これによると、米国の2022年末の実質GDP成長率は2.3%になると予測されており、6月24日に公表された見通し
(2.9%)から0.6ポイント引き下げられた。
IMF西半球局のエコノミストであるアンドリュー・ホッジ氏は、自身がまとめた分析レポート
の中で「米国経済はパンデミックから急速に回復したが、需要の跳ね返りがサプライチェーンを混乱させ、高インフレを引き起こした。連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を引き締め続け、新型コロナウイルスの経済支援プログラムも終了するため、景気は減速するだろう」と述べている。また、同氏は「インフレが想定以上に長引いた場合、FRBはさらなる引き締めが必要となり、景気がさらに減速する可能性がある」と記している。
米国の2022年末の失業率は、6月24日予測時点の3.2%から3.7%に引き上げられた。同時に、2023年に4.6%(6月予測:4.4%)、2024年に5.2%(6月予測:4.8%)、2025年に5.0%(6月予測:4.4%)になるとして、いずれも悪化の見通しが示された。ホッジ氏は、これに関して「(連邦政府の)政策が2023年上旬までに個人消費の伸びを鈍化させ、需要の鈍化に伴い、失業率は2023年末に5%程度まで上昇し、賃金は低下するだろう」と述べている。
米国労働省は7月13日に、2022年6月の消費者物価指数(CPI)が前年同月と比べて9.1%上昇したと発表した(2022年7月14日記事参照)。これは1981年11月(9.6%)以来の9%台で、FRBは6月15日時点で、2022年末までに政策金利を3.4%まで引き上げる見通しを示している(2022年6月16日記事参照)。ホッジ氏は、今後の米国経済の動向について、ロシアによるウクライナ侵攻、新型コロナウイルスの感染拡大の程度、中国におけるロックダウン再発の可能性など、世界的な要因によっても左右されるとしている。
(片岡一生)
(米国)
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