米テキサス州への石油・ガス生産者納税額、6月に過去最高を記録

(米国)

ヒューストン発

2022年07月15日

米国テキサス石油・ガス協会(TXOG)は76日、テキサス州の石油・ガス生産者が6月に同州に支払った月間石油・ガス生産税が過去最高額を記録したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

TXOGによると、同州の石油生産者は6月、前年同月比87%増の67,900万ドル、天然ガス生産者も同2.8倍の43,900万ドルの生産税を納め、いずれも月間では過去最高額を記録した。税率は石油生産税が算出価値の4.6%、ガス生産税が7.7%で、資源価格が高止まれば税額が膨らむ構造になっている。6月の石油・ガス生産税の合計約112,000万ドルについて、TXOGは「わずか数十年前の年間石油・ガス生産税額の平均値101,000万ドルを(月間石油・ガス生産税額が)上回ったという点で、注目に値する」としている。

TXOGのトッド・ステイプルズ会長は「全てのテキサス州民は石油ガス産業の恩恵を受けている。石油・ガス産業は何十万もの高収入の仕事を提供し、州経済、主要サービス、公教育に対して何十億ドルも支払っている」「この歴史的な雇用と税収の数字は、米国のエネルギー需要を満たし、国家安全保障を強化し、継続的な環境改善を達成するために尽力しているわれわれの業界の回復力を示し続けている」と述べている。

米労働省は713日、6月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比9.1%上昇したと発表した(2022714日記事参照)。中でもガソリン価格は前年同月比59.9%上昇と大幅な伸びを続けており、価格下落への懸念から増産に慎重な石油・ガス企業に対する政権や社会の視線は厳しさを増している。

ジョー・バイデン米大統領は614日に石油大手7社(エクソンモービル、マラソン、バレロ・エナジー、フィリップス66、シェブロン、BP、シェル)に対して石油・ガス増産を促す書簡を送付し、エクソンモービル(本社:テキサス州アービング)は615日にこの書簡に対し、石油ガスに関する多大な投資を継続し、国内生産も増えているなどとして反論を展開した(2022616日記事参照)。同月21日には、シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)も書簡に対し同様の反論を展開した(2022623日記事参照)。今回の納税実績の公開には、石油・ガス業界が米国経済に貢献している部分を社会全体に知らしめる意味合いがあるとみられる。

(沖本憲司)

(米国)

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