米CDC、ニューヨーク市と近郊地域の新型コロナ感染拡大レベルを「高」に更新

(米国)

ニューヨーク発

2022年07月11日

米国疾病予防管理センター(CDC)は78日、ニューヨーク(NY)市の5区(マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、スタテン・アイランド)と、近郊のナッソー郡とウエストチェスター郡の新型コロナウイルス感染拡大レベルを「中程度」から「高」に更新外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

CDCは、レベル「高」とする地域では、(1)公共の屋内ではマスクを着用、(2)対象となっている回数分のワクチン接種を済ませる、(3)症状がある場合は感染検査を受けることとしている。免疫疾病がある場合には、必要不可欠でない限り公共の屋内で行動しないことなどを推奨しており、予防措置についてはかかりつけの医師に相談するよう促している。

なお、NY市保健局は市内の感染拡大に伴う警戒レベル(2022年5月19日記事参照)を評価中として現時点で発表していない。保健局はツイッターで「市では現在感染が拡大している。感染拡大を防止するため、ニューヨーク市民は全員、屋内や混雑している屋外ではN95KN95KF94などのマスクを着用するべきだ」と発信した。

CDCの記録によると、NY州、ニュージャージー州、プエルトリコ、バージンアイランドを含む地域の626日から72日の新規感染者は、現在出回っているワクチンで重症化は防げるものの感染防止効果が低いとされるBA.4型が感染者全体の14.0%、BA.5型が46.2%となっている。5月の第5波で最も感染者が多く出たBA.2.12.1型も依然として38.0%を占めている。米国全体では同時期にBA.4型が16.5%、BA.5型が53.6%、BA.1.12.1型が27.2%だった。これらは全てオミクロン株の新派生型となっている。

また、CDCの広報担当者は77日、メディアの取材に対し、インドなどで感染が確認されている新型コロナウイルス新派生型のBA.2.75が米国内でも既に2件確認されていると明らかにした。CDCでは、感染全体の1%以上になった時点で分けて公表するが、それまではBA.2の枠にまとめているとした。世界保健機関(WHO)はBA.2.75の感染力の強さや重症化率などについては、現在のところ不明としている。(フォーチュン77日)

(吉田奈津絵)

(米国)

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