米ニューヨーク市、新型コロナ感染警戒レベルを「高」に引き上げ、マスク着用を推奨

(米国)

ニューヨーク発

2022年05月19日

米国ニューヨーク市は5月17日、新型コロナウイルスの感染者数の増加に伴い、警戒レベルを「中程度」から「高」に引き上げた。同市では警戒レベルを「低」から「非常に高い」まで4段階に設定しており、「高」レベルは、市中感染のほか、医療体制が逼迫するとしている。

ニューヨーク市保健精神衛生局は、警戒レベルの引き上げに先立ち、5月16日に勧告を発表した。新たなガイダンスによると、ワクチン接種の有無や過去の感染の有無にかかわらず、住民に全ての公共の場において屋内でのマスク着用、および人の密集した公共スペースなどでのマスクの着用を強く促した。特に、重症化リスクが高い65歳以上の高齢者およびワクチン未接種者は、屋外の混雑したスペースでもマスクを着用し、人混みや不要不急の集まりを避けるよう呼びかけた。

ニューヨーク州の直近の検査陽性率(7日間平均)は7.6%(5月17日時点)で推移しており、新規感染数は徐々に上昇している。こうした現状を受け、ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は、この5月から1,650万個の自宅用検査キットを配布、100万個相当の高品質マスクを市内の学校や地域団体で追加配布する方針を示しており、今後の感染拡大に備えた安全対策を強化している。同市では、自宅検査結果で陽性と判定された場合、食料品や個人防護具(PPE)、家庭用迅速抗原検査キットなどを含むケア・パッケージの配達なども実施している。

なお、米国疾病予防管理センター(CDC)によると、新型コロナによる死亡が米国で初めて確認されたのは2020年1月で、発生から2年半も経過しないうちに、全米での死者数は100万人を突破した。このうち、約7割以上が高齢者で、そのうち2割以上が85歳以上の高齢者だった。5月17日時点で、米国における1日当たりの新規感染者数は9万人を超え、感染の拡大は徐々に増加傾向にあり、再び警戒が強まっている。

(樫葉さくら)

(米国)

ビジネス短信 f79dada728a94489