ペルーで初のオミクロン株ケンタウロス(BA2.75)型感染者を確認
(ペルー)
リマ発
2022年07月22日
ホルヘ・ロペス保健相は7月20日、ペルーにおける新型コロナウイルスのオミクロン株派生型である「BA.2.75(通称:ケンタウロス)型」による初の感染者を確認したと発表した。ロペス保健相によると、対象者は「リマ在住の若年成人男性で、新型コロナウイルスの初期症状段階で医療機関に受診しており、その後の状態は安定しているため入院はせず経過観察状態にある」としている。ペルー国立保健研究所(INS)によると、ケンタウロス型が初めて確認されたインドでは、同派生型が全体の23%を占め、また前日比17%増というBA2型の中で最も早いペースで拡大しており、既にドイツ、オーストラリア、カナダ、日本、ニュージーランド、英国、米国で確認されているという。このため保健省(MINSA)では、あらためてワクチン接種を促すとともに、手洗い、室内換気、ソーシャルディスタンスやマスク着用などの感染防止対策の徹底を呼び掛けた。
ペルー社会保険庁(ESSALUD)の情報データ分析チーム(UIAD)によると、ペルーにおける2022年第27週(7月第2週)から第28週(7月第3週)にかけての全国の感染者数は4万3,496人から7万7,020人と77%増加しており、6月26日に宣言された第4波(2022年6月28日記事参照)が収束していない状況を示した。一方で、ロペス保健相は、入院患者数については拡大傾向がみられないとして重篤化の傾向はあまりないことを確認している。
MINSAは7月20日、全国の累計感染者数は378万7,887人、入院患者数は1,193人(161人はICU病床)、累計回復者数は370万756人に上ると発表した。また、7月21日時点でのワクチン接種率が1回目は90.4%、2回目が84.9%、3回目が67.8%、さらに30歳以上が接種可能な4回目接種は15.5%に達している。
(設楽隆裕)
(ペルー)