米ファイザー製新型コロナワクチン、厚労省に承認申請、生後6カ月以上5歳未満が対象に

(米国、日本)

米州課

2022年07月15日

米国製薬大手ファイザーは714日、生後6カ月以上5歳未満の小児に対する新型コロナウイルスワクチンの製造販売承認を日本の厚生労働省に申請したと発表した。同社は既に5歳以上12歳未満を対象としたワクチンについては、20221月に製造販売承認を取得しているが、生後6カ月以上に引き下げたワクチンの申請は、日本ではこれが初めてとなる。

ワクチンはファイザーとドイツのビオンテックが共同で開発した。ファイザーによると、生後6カ月以上5歳未満に対するワクチンは成人用と同じメッセンジャーRNAmRNA)を用いたもので、用量は成人用の10分の1。計3回で接種完了としており、2回目の接種は1回目から3週間後、3回目は2回目から少なくとも8週間後となる。

生後6カ月以上を対象としたワクチンについて、米国では食品医薬品局(FDA)が617日にファイザーとモデルナのワクチンの緊急使用許可を承認している(2022年6月20日記事2022年6月22日記事参照)。

FDAの緊急使用許可に際する発表によると、生後6カ月以上2歳未満の小児80人と、2歳以上5歳未満の小児140人のワクチンに対する免疫反応について、16歳~25歳の成人170人の免疫反応と比較した結果、同程度で有効性を確認したとしている。また、生後6カ月以上2歳未満の小児400人、2歳以上5歳未満の小児600人について、2カ月間の安全性追跡調査を実施した結果、生後6カ月以上2歳未満の小児で最も多く報告された副反応は過敏症、食欲低下、発熱、注射部位の痛み、圧痛、発赤、腫脹(しゅちょう)だったとしている。これらの副反応は発熱や頭痛、悪寒に加えて、2歳以上5歳未満のワクチン接種者でも報告されたとしている。

ファイザーは欧州でも78日に欧州医薬品庁(EMA)に販売許可を申請しており、米国での緊急使用承認の結果を踏まえて、生後6カ月以上に引き下げたワクチン接種が世界的に普及する可能性がある。

(葛西泰介)

(米国、日本)

ビジネス短信 aa72f135557934f9