米中外相が5時間強にわたり会談、米国務長官は安倍元首相追悼に急きょ来日

(米国、中国、日本)

米州課

2022年07月11日

米国のアントニー・ブリンケン国務長官は79日、G20外相会合のため訪問したインドネシア・バリ島で、中国の王毅国務委員兼外交部長と会談した。両氏の対面会談は20211031日にG20サミットが開催されたローマ以来で、ロシアによるウクライナ侵攻後では初めてとなった。613日にはジェイク・サリバン大統領補佐官(安全保障担当)と楊潔篪・共産党中央政治局委員がルクセンブルクで両国の2国間関係などについて議論を行っている(2022年6月14日記事参照)。

ブリンケン国務長官は9日の記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで王外交部長との会談に言及し、「会談時間は5時間強に及んだ。米国と中国の関係は両国だけでなく、世界にとって非常に重要な意味を持つ。われわれは両国の関係を責任を持って管理し、外交を通じて主導していくことを約束する」と述べた。ブリンケン国務長官によると、両外相は2国間関係だけでなく、ウクライナ情勢、北朝鮮の核開発、気候変動、食料安全保障、国際保健、麻薬対策などさまざまな地域的・世界的課題について話し合った。また、同長官は従来どおり、台湾海峡の平和と安定や香港問題、強制労働、チベットでの少数民族や宗教者への対応、新疆ウイグル自治区での虐殺(ジェノサイド)に関し、米国の一貫した懸念を伝えた。その上で、今回の議論は生産的かつ建設的なものだったと述べ、両国のコミュニケーションの維持を望むと語った。

サリバン大統領補佐官は627日に「米中首脳会談は、今後数週間以内に実施される見通し」と述べており(2022年6月29日記事参照)、今後の米中関係に注目が集まっている。

また、米国務省は79日、ブリンケン国務長官が11日に急きょ東京を訪れると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、同長官は11日午前に首相官邸で岸田文雄首相と面会した。安倍晋三元首相の死去は、歴代大統領が哀悼の意を表明するなど、米国でも大きな衝撃をもって受け止められている(2022年7月11日記事参照)。

(片岡一生)

(米国、中国、日本)

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