バイデン米大統領、G7サミットに合わせ各国首脳と会談、米中首脳会談は数週間以内に実施の見通し

(米国、日本、ロシア、ウクライナ、中国、ドイツ、セネガル)

米州課

2022年06月29日

米国のジョー・バイデン大統領は6月26日、G7サミット出席のため訪問したドイツで同国のオラフ・ショルツ首相と、28日にはセネガルのマッキー・サル大統領とそれぞれ2国間会談を実施した。

ホワイトハウスの発表によると、バイデン大統領はショルツ首相との会談外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、G7における同首相のリーダーシップに謝意を表明した上で、ロシアによるウクライナ侵攻への対応や、気候、経済および民主主義に対する強靭(きょうじん)性の確保が重要な旨を伝えた。また、両首脳は、ウクライナ情勢が食料やエネルギーの安全保障に及ぼす影響を緩和するための取り組みや、中国がもたらす課題、重要インフラにおける世界的な格差に対処するための両国共通のコミットメントについて議論し、バイデン大統領は、ドイツが国防費の増額を約束したことに対し歓迎の意を表した。

また、バイデン大統領は、現在、アフリカ連合(AU)の議長国を務めるセネガルのサル大統領との会談外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、ウクライナ情勢がアフリカの食料安全保障に及ぼす影響について議論を行い、セネガルのワクチン生産施設に投資する旗艦プロジェクトを含む「グローバルインフラ投資パートナーシップ(PGII)」(2022年6月28日記事参照)についても意見を交わした。

バイデン大統領のG7サミット出席に同行したジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は6月27日、記者団の取材に応じ、ウクライナ情勢を議題としたG7のセッションは生産的だったと述べた。また、同補佐官は、記者からバイデン大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談の時期などを問われ、「両首脳は、今後数週間以内に会談する見通しだ。日時は定まっていないが、G7サミットの直後に実施されるわけではない。G7でもNATOでも、中国の非市場的な貿易慣行や、債務・人権に対するアプローチなどに対処するため、世界の主要な市場経済・民主主義国家が、協調する必要性に関して意見を一致させつつある」と語り、対中政策に係る多国間の協調に期待感を示した上で、米中首脳会談が近々、実施の予定であることを明らかにした。

G7サミットに出席した岸田文雄首相も、6月27日にバイデン大統領と短時間会談したもよう。両首脳は29~30日にスペインで開かれるNATO首脳会議にも出席する。

(片岡一生)

(米国、日本、ロシア、ウクライナ、中国、ドイツ、セネガル)

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