大連市、風力発電産業パークを着工

(中国)

大連発

2022年07月08日

中国の太平湾風力発電産業パークの着工式が629日、遼寧省大連市の太平湾合作創新区で開催された。同パークはカーボンピークアウトとカーボンニュートラルの実現に向けた国家戦略(20211028日記事2021111日記事参照)に沿って、新エネルギー産業の集積を図ることも目的に、中国招商局集団(注1)と中国長江三峡集団(注2)が開始した重要プロジェクト。同パークの年間生産額は約100億元(約2,000億円、1元=約20円))と見込まれており、100社以上の川上・川下企業による協業や北東アジア各国企業との国際連携が期待されている。

同パークのプロジェクトの第1弾として、陸上・洋上風力発電パイプや太陽光発電用ブラケットなどを製造する鋼構造物製造基地の建設も開始した。

太平湾合作創新区は遼寧省政府と大連市政府、中国招商局集団が共同建設する工業団地で、大連市中心部から北へ106キロに位置する。造船園区、新エネルギー園区、食料園区、貨物航空園区に分かれており、新エネルギー園区には今回着工した太平湾風力発電産業パークのほか、水素エネルギー産業パークが設置される計画だ。330日時点で太平湾風力発電産業パークで6社、水素エネルギー産業パークで5社の中国企業がプロジェクト展開を予定している。

大連供電によると、大連市全体の発電容量のうちクリーンエネルギー(注3)の割合は61.3%で、東北地域で1位、全国でもトップクラスにある。大連市は2025年までにクリーンエネルギーの割合を80%まで引き上げることを目指しており、同パークの稼働による貢献が期待されている。

(注1)招商局集団:国務院が100%出資する香港登記の持ち株会社。傘下企業は、海運、造船、港湾・高速道路・物流施設などの管理運営、不動産開発、金融などを手掛ける。

(注2)中国長江三峡集団:湖北省所在の国有電力会社。水力発電の他、風力や太陽光などのクリーンエネルギー事業を展開している。

(注3)中国では原子力発電をクリーンエネルギーに分類している。

(李莉)

(中国)

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