ミュンヘンで日独企業がイノベーション連携について議論

(ドイツ、日本)

ミュンヘン発

2022年07月22日

ジェトロは713日、ドイツ南部バイエルン州ミュンヘンで、カーボンニュートラル分野における「日独イノベーション連携セミナー」を開催した。日本とドイツの政府関係者や企業代表者を中心に140人余りが会場に出席し、400人以上がオンラインで視聴した。

セミナー冒頭の基調講演では、シーメンスの社長兼CEO(最高経営責任者)でドイツ財界アジア太平洋委員会(APA)会長のローランド・ブッシュ博士が登壇し、日独両国は地政学変化、メタバースなどのデジタル化、気候変動、高齢化社会といった共通の課題を抱えており、水素技術の開発やデジタル化、自動化において協力できると語った。

その後、日独の企業5社が各社の事業紹介を行った。まず、DMG森精機グローバルマーケティングは、日独協業の秘訣(ひけつ)は異文化間の尊重とコミュニケーションだと語った。次に、BMWグループ・ジャパンは、自社のスタートアップ支援プログラム「BMW Startup Garage」の取り組みを紹介し、スタートアップとの協業において特にサーキュラーエコノミーやサステイナビリティー分野に注目している、と述べた。続いて、東レオートモーティブ・センター・ヨーロッパは、同社が参画するドイツの国家プロジェクトに触れ、炭素繊維を活用した電気自動車の軽量化・省エネルギー技術開発の事例などを紹介した。ミュンヘン発のスタートアップ企業トゥワイス・テクノロジーズ(TWAICE Technologies)は、電気自動車(EV)の普及に向けて、電池容量の拡大と劣化を抑えることが重要で、同社が開発した蓄電池の性能を計測するソフトウエア技術が鍵になると述べた。最後に、富士通テクノロジーソリューションズは、カーボンニュートラル実現に向けた自社の取り組みとして、EVのエネルギーマネジメントを実現するEVクラウドなどを紹介した。

パネルディスカッションでは、バイエルン州駐日代表部代表のクリスティアン・ゲルティンガー博士がモデレーターを務め、先に登壇した5社、ドイツ貿易・投資振興機関(GTAI)、ジェトロがパネリストとして登壇。カーボンニュートラル達成に向けた各社の取り組みや、日独の連携における課題について議論した。

なお、本セミナーは、同日に開催されたジェトロ・ミュンヘン事務所開所式典に合わせて開催されたもので、202112月に発足した「日独イノベーション・イニシアチブ160」の活動の一環だ(2021年12月23日記事参照)。

写真 ブッシュ会長による基調講演(© Klaus D. Wolf)

ブッシュ会長による基調講演(© Klaus D. Wolf)

写真 パネルディスカッションの様子(© Klaus D. Wolf)

パネルディスカッションの様子(© Klaus D. Wolf)

写真 会場の様子(© Klaus D. Wolf)

会場の様子(© Klaus D. Wolf)

(大河原楓)

(ドイツ、日本)

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