習国家主席がインドネシアのジョコ大統領と会談、高速鉄道の完成に努力
(中国、インドネシア)
北京発
2022年07月28日
中国の習近平国家主席は7月26日(中国時間)、北京市でインドネシアのジョコ・ウィドド大統領と会談を行った。
習国家主席は、ジョコ大統領に「北京冬季オリンピック後に中国が応接した最初の外国首脳だ」と述べ、中国がインドネシアとの関係を重視していることの表れだとした。その上で、両国関係を「政治、経済、文化、海上協力の『四輪駆動』の構造が深まっており、発展途上大国が連合して自らを強くし、ウィンウィンの関係を築く手本を示した」と評価した。
また、「双方は『一帯一路』建設に向けた協力をさらに深める必要がある」とし、中国はインドネシア高速鉄道の「予定期間内の完成」(注1)や、「総合経済回廊」(注2)、「両国双園」(注3)の実施を推進するとした。
その他、中国はインドネシアのワクチン生産センターの設立を支援し、コモディティーや農産品の輸入拡大も継続するとした。インドネシア首都空港およびカリマンタン工業団地の建設への積極的な参加意向も示し、インドネシアの「グローバルな海洋軸」構想と「一帯一路」との戦略的な連携も強化するとした。習国家主席はデジタル経済、グリーン発展などの分野でも新たな協力を希望した。
会談後、双方は共同声明を発表し、「シルクロード経済ベルト」および「海上シルクロード」(注4)と「グローバルな海洋軸」構想に関する協力について協力覚書(MOU)を締結し、ワクチン、グリーン発展、サイバーセキュリティー、海洋分野などでの協力に関する文書を取り交わした。
(注1)2015年に中国がジャカルタ~バンドン高速鉄道プロジェクトを受注したが、工事は予定より遅れているとされる(2019年11月13日記事参照)。
(注2)北スマトラ、北カリマンタン、北スラウェシ、バリに総合経済回廊を建設し、中国・インドネシアの戦略的連携を促進するもの。2018年の中国とインドネシアの共同声明で、同回廊に関するMOU締結を発表した。
(注3)中国側は福建省の元洪投資区、インドネシア側はビンタン工業団地、バタン工業団地などを拠点として、海洋経済、食品製造、新建材、エネルギーなどの分野で協力を行うもの。
(注4)両者を合わせた略称が「一帯一路」とされている。
(河野円洋)
(中国、インドネシア)
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