中国の2019年の対インドネシア投資、過去最高額へ

(インドネシア、中国)

ジャカルタ発

2019年11月13日

インドネシア投資調整庁が10月31日に発表した2019年第3四半期まで(1~9月)の投資実績によると、中国による投資額は前年同期比で81.3%増の33億1,300万ドルとなった。中部スラウェシ州のニッケル精錬工場の拡張に加え、ジャカルタからバンドンへの高速鉄道プロジェクトの工事が本格化するなど、事業活動が活発化している。今後、第4四半期(10~12月)も加えると、投資額は2017年に記録した33億6,100万ドルを突破し、過去最高となることが確実視される。

中国からの投資を業種別にみると、運輸・倉庫・通信が13億4,600万ドルで最も多く、基礎金属・金属製品(8億6,400万ドル)、電気・ガス・水道(7億2,500万ドル)と続いた。中国が2015年にインドネシアから受注したジャカルタ~バンドン高速鉄道プロジェクトは、土地収用などの問題から当初の予定より大幅に遅れていたが、ここに来て工事が進み始めている。「コンパス」紙によると、工事の進捗率は34.9%で、2021年の完成を目指している。

他方、日本からの投資は、電気・ガス・水道(18億8,400万ドル)、輸送機器(4億4,300万ドル)、不動産・工業団地・オフィス関連(4億800万ドル)などが牽引し、合計額は前年比13.2%減の32億4,000万ドルだった。インドネシアは東南アジア最大の自動車市場と言われるが、2019年第3四半期までの新車販売台数は12%減の75万3,600台にとどまるなど、販売不振が続いていることから、自動車分野の投資活動は低調な状況だ。

図 日本・中国・香港の投資額の推移

(山城武伸)

(インドネシア、中国)

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