安倍元首相の死去を受けて追悼の半旗、インド全土で服喪

(インド、日本)

アジア大洋州課

2022年07月22日

安倍晋三元首相が78日に銃撃されて死去したことを受け、モディ首相は翌9日、半旗掲揚を指示し、国を挙げて喪に服した。襲撃事件の詳細は、主要各紙の1面に取り上げられた。

グジャラート州首相時代から親交があったモディ首相は、異例の長文の手記「わが友、安倍さん」を公開し、「最も親しい友人」の1人の悲劇的な死に対し、言葉にできないほどの衝撃と悲しみを受けていると述べた。「安倍晋三氏は、世界有数の政治家、傑出した指導者であり、世界をより良い場所にするために人生を捧げた。経済や世界情勢に関する彼の鋭い洞察は常に私に深い印象を与えてくれた。日米豪印のクアッド(QUAD)首脳会合(2022年5月24日記事参照)、ASEAN主導のフォーラム、インド太平洋構想、アジア・アフリカ成長回廊(AAGC)を含むインド太平洋でのインドと日本の協力、災害レジリエント・インフラ連合など、全て安倍氏の貢献から恩恵を受けた」と賞賛した。また「常に日印関係の強化に情熱を注ぎ、日印協会の会長に就任したばかりだった」として、東京での安倍元首相との直近の会談の写真を共有し、深い弔意を示した。

マンモハン・シン元首相は深い悲しみを表明するとともに、「安倍首相は、2国間関係をグローバルで戦略的なパートナーシップに引き上げるために努力した」と、突然の死を惜しんだ。

外務省は「インド政府およびインド国民は、安倍晋三元首相の早過ぎる死去を深く憂慮し、ご家族、友人、国民に心からの哀悼の意を表する」とコメントした。

安倍氏は「自由で開かれたインド太平洋外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」構想を提唱し、両国間の連携強化に注力。日本の新幹線方式を導入したインド初となる高速鉄道計画(西部のムンバイ~アーメダバード間、約500キロ)を推進するなど、両国関係の進展に尽力した(2017年10月30日記事参照)。

インド政府は2021年に安倍氏に同国の栄誉賞であるパドマ・シュリ賞を授与し、功績をたたえている。

(寺島かほる)

(インド、日本)

ビジネス短信 52ae2b861fb92527