台湾の「悠遊カード」が越境支払い認可取得、沖縄でサービス提供開始へ

台湾のプリペイド式ICカード「悠遊カード（Easy Card）」を運営する、悠遊カ（カ＝上の下にト）は7月11日、金融監督委員会から越境支払い業務の認可を取得したと発表した。悠遊カードは交通系非接触ICカードで、台湾の公共交通機関や、レンタルサイクル、駐車場代金の支払い、加盟店舗での支払いに使用することができる。2022年1月時点で9,254万枚が流通しており、2022年1月単月の取扱額は42億7,300万台湾元（約197億円、1台湾元＝約4.6円）だった｡なお、今回の認可により、台湾では初の越境支払いが可能なプリペイド式ICカードとなったという。

また、悠遊カードでの越境支払いとして、琉球銀行と提携し、まずは沖縄県でのサービス提供を開始の予定とも発表した。台湾からの旅行客が使用することを想定しており、具体的には、20歳以上のカード保持者かつ、実名を登録したカード（注）が利用可能となる見込み。利用時は、日本の加盟店での支払い時に、両替などの手続きや費用なしで、台湾元での決済が可能となる。

なお、2018年に沖縄県を訪れた海外旅行客は290万3,800人で、このうち台湾からの旅行客は88万9,700人と、インバウンド客の3割以上を占めたという。悠遊カは、新型コロナウイルス関連の入境規制が徐々に緩和されるにつれて、台湾と距離が近い沖縄県は、バックパッカーや親子旅行者をはじめとした旅行客にとって選択肢の1つになるとして、水際措置緩和・撤廃後の利用に期待を示した。また、沖縄県での悠遊カード利用が順調に始動したあとは、日本の他地域にも進出する計画ともコメントした（「経済日報」7月12日）。

（注）非台湾籍の利用者も一部のカードが使用可能だが、実名を登録したカード発行の際には居留証が必要となる。

（柏瀬あすか）