新型コロナ関連規制を完全撤廃、初のサル痘ウイルス感染者を確認

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2022年07月04日

南アフリカ共和国のジョー・ファーラ保健相は6月22日、新型コロナウイルスに関わる規制を全て撤廃すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回の決定により、屋内や公共交通機関でのマスク着用は不要になり、集会の人数制限なども撤廃された。さらに、南ア入国時に必要だった陰性証明書またはワクチン接種証明書の提示も不要になった。

6月末現在の新規感染者数の1週間平均は700人程度だ。同月中の陽性率・病床率はともに低水準にあることから、政府は国内でのパンデミックのリスクは低いと見なし、今回の規制撤廃に踏み切った。6月に入り、南アに進出する日系企業の中には在宅勤務から100%出社に切り替えたり、会食の制限を撤廃したりする企業が増えていた。

南アではオミクロン株による感染第4波は1月末に落ち着いていた(2022年2月4日記事参照)が、イースター休暇後の4月下旬から新規感染者が急増。政府から第5波の宣言はなかったものの、4月中旬に平均1,300人程度だった新規感染者数の1週間平均が5月に4,500人を超え、同月半ばには1日当たり1万人を超える日もあった(2022年5月25日記事参照)。

6月に入って南アでは新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたが、世界ではサル痘の感染が懸念され始めている。そうした中、南アでも23日に初めてサル痘感染者が報告された。患者は海外渡航歴のない30歳男性で、現在、保健当局は患者に接触した関係者の追跡を行っている。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国)

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