米FDA、食品安全強化法(FSMA)のうち農業用水規則案の施行期日延期を提案

(米国)

シカゴ発

2022年07月26日

米国食品医薬品局(FDA)は718日、食品安全強化法(FSMA)のうち農業用水規則案の施行期日を延期する案に関する補足通知を発表した。今回の発表に先立ち、FDA202112月に対象農産物(モヤシなどのスプラウト類を除く)について、「農産物安全規則」の一部である収穫前に使用する農業用水の安全性に関する要件を改正する規則案(2021年12月6日記事参照)を発表していた。同改正案はもともと作物の灌漑に使用する水の微生物検査要件を取り下げ、代わりに収穫前の農業用水に対する包括的なリスク評価を実施することを提案したものだったが、これは近年、農場に隣接する土地や水源における放牧や、そこに生息する家畜や野生動物による汚染に由来するとみられる農業用水から生じる食中毒が多く発生していたためだ。

農作物の収穫前に使用する農業用水規定の施行期日は、前述の改正案に記載されていたが、農業用水の基準に関する変更を提案する可能性について明確でなかったことや、規定の利点を理解するための農家への技術支援や訓練に時間を要することから、今般の延期が決定された。

同改正案が確定した場合、農家は毎年、農業用水に対する評価を実施し、収穫前の農業用水に関連する潜在的なリスクを最小化するための管理措置を決定するほか、適切な方法を取ることが義務付けられることとなる。

本補足規則案では、改正案が最終決定された場合、収穫前の農産物に使用する農業用水の基準要件について、事業規模に応じて以下の施行期日を設定することが提案されている。

  • 超小規模事業者は最終規則の発効日から29カ月後
  • 小規模事業者は最終規則の発効日から19カ月後
  • その他の事業者は最終規則の発効日から9カ月後

なお、収穫後の農業用水要件の任意のリスク評価については、FDAはこれまでどおり、以下の期日まで継続するとしている。

  • 超小企業向けは2025126日まで
  • 小規模企業向けは2024126日まで
  • その他の事業者は2023126日まで

また、FDAは、収穫前農業用水規定の施行期日の提案に関してのみ、パブリックコメントPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)募集期間を2022919日まで延長するとしている。

(タマラ・ラズベリー、星野香織)

(米国)

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