米FDA、食品安全強化法(FSMA)のうち農業用水に関する基準の一部改正規則案を発表

(米国)

シカゴ発

2021年12月06日

米国食品医薬品局(FDA)は12月2日、食品安全強化法(FSMA)のうち、「農産物安全規則」の一部(サブパートE)を改正する規則案を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同サブパートEは、対象となる収穫前の対象農産物(注)に使用する農業用水の安全性に関する要件を定めるもので、農業用水による農産物の汚染を防止することを目的としている。

同サブパートEの現行規定は、農業用水の安全性の確保に関して、収穫前農産物に使用する農業用水の微生物に関する水質基準やその試験要件を定め、リスク評価を行う方式を採用していた。しかし、FDAは、現行のサブパートEが複雑で実行が困難という関係者の懸念に配慮し、今般の改正案において、収穫前農産物用に使用する農業用水のシステム全体に対する包括的なリスク評価の方式を採用した。このリスク評価に当たっては、農業用水自体の評価(位置、地下水、地表水など)、農業用水の使用方法、作物の特性、環境条件、近隣の土地で行われる活動による源水への潜在的な影響、および任意のリスク評価に関する検査結果などの評価を年に1回以上、影響を及ぼす可能性のある変化が生じた都度行う必要がある、としている。FDAは、農業用水からもたらされる潜在的なリスクを評価し、それに対する管理措置を決定するためのオンラインツールを開発中としている。なお、モヤシなどのスプラウト類への規制は引き続き、現行と同等の規定が適用されるため、注意が必要だ。

同サブパートEの施行期日は再延長へ

FDAは、モヤシなどのスプラウト類への適用は開始しているが、それ以外の対象農産物については現行の同サブパートEの施行を延期しており、2022年1月から適用するとしていた。しかし、今回の改正案の発表において、同サブパートEの施行の再延期を行うとしている。新たな施行日については、近日中に官報で発表する。なお、今般の改正案については12月6日から120日間、パブリックコメントを募集外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますする。

(注)FDAが指定する未加工農産物の定義に該当するもののうち、野菜、果実、モヤシなどのスプラウト類、ナッツの一部(マカデミアナッツ、くるみなど)、ハーブ。詳細はFDAのHPを参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(藤本富士王)

(米国)

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