中国、ニカラグアとのFTA交渉を開始

中国商務部の王文涛部長とニカラグアのデニス・モンカダ･コリンドレス外相は7月12日、「中国とニカラグアの自由貿易協定（FTA）のアーリーハーベストに関する取り決め」に署名、両国間でFTAに係る交渉を開始したと発表した。併せて「経済・貿易・投資協力の合同委員会設立に関する覚書」にも署名し、両国政府による経済・貿易・協力メカニズムを正式に構築した。中国は2月のエクアドルとのFTA交渉開始（2022年2月18日記事参照）に続いて、中南米地域とのFTA交渉を進める。

王部長は、中国とニカラグアの国交回復（注）以来、共同で経済や貿易の各分野の2国間協力を効率的に推進し、成果を上げてきたと指摘。商務部は、2022年1～5月の両国間の貿易額は増加傾向にあり、特にニカラグアの対中輸出は前年同期比2.3倍で、国交回復の効果が十分に表れているとした。また、今回のFTA交渉開始は、国交回復後の経済協力―の重要な成果であり、両国関係の持続的発展の基盤を築き、弾みをつけるものとした。中国はこれを契機にニカラグアと協力の上、両国経済の相互補完的な優位性を早期に具体的成果に結びつけ、経済・貿易協力をより深く実践的に推進するとした。

また、商務部は7月13日、韓国産業通商資源部と中国・韓国FTA第2段階交渉の首席交渉官会議を開催した。サービス貿易、投資、金融サービスなどに関するルールやネガティブリスト方式の市場参入について詳細な協議を行い、前向きな進展を得たと発表している。

（注）ニカラグアは2021年12月に台湾と断交し､中国との国交を回復している。

（亀山達也）