山東省、消費促進を目的に各種消費券を発行

(中国)

青島発

2022年06月27日

中国・山東省では、消費促進を目的とした政府主導の消費券(クーポン)発行の動きが見られる。6月10日、山東省工業・情報化庁などの部門は商用車(二輪車を除く)の消費拡大を目的として、「山東省の商用車の消費促進に関する若干の措置」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同措置では、商用車を対象とした総額1億2,000万元(約24億円、1元=約20円)の消費券発行を規定している。山東省内の新エネルギー商用車とガソリン商用車の双方の購入者が対象で、前者は最大6,000元、後者は最大5,000元の消費券を受け取ることができる。消費券の金額は、車両購入価格に応じて大きくなる仕組みだ。

このほか、6月9日に発表された「山東省の家電の消費促進に関する若干の措置」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき、家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、クーラー)購入者を対象とした消費券や、各市での飲食店利用者向けの消費券の発行・使用も既に開始されている。消費券は「雲閃付」というアプリケーションを通じて入手・使用が可能となる。

商用車や家電を対象とした消費券は、山東省政府が全体予算の50%を負担、残りは省内の各市政府が負担し、省内でさらなる消費拡大を目指す。

写真 雲閃付アプリの画像。トップ画面で所在地を入力すると、使用可能な消費券が表示される(ジェトロ撮影)

雲閃付アプリの画像。トップ画面で所在地を入力すると、使用可能な消費券が表示される(ジェトロ撮影)

写真 青島市内に掲載されている消費券の広告(ジェトロ撮影)

青島市内に掲載されている消費券の広告(ジェトロ撮影)

新型コロナウイルス感染拡大で、1~4月の消費は0.3%減

山東省内では、2022年3月から4月にかけて新型コロナウイルス感染が拡大した際(2022年3月17日記事2022年4月11日記事参照)、厳格な管理措置が取られたことで、消費の鈍化が懸念された。しかし、山東省統計局は2022年1~4月の消費市場解説で、感染拡大は消費に一定の影響をもたらしたが、総じて安定はしており、同時期の社会消費品小売総額は前年同期比0.3%減と、中国全体(0.2%減)とほぼ同様の減少幅にとどまったと発表した。詳細を見ると、通信機器(15.4%増)や化粧品類(12.5%増)が増加したほか、新エネルギー車は2.4倍の87億9,000万元を記録した。実物商品のネット小売額も24.3%増と堅調な伸びを示した。

(西島和希)

(中国)

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