デトロイト3、米国内全ての工場・施設でマスク着用義務を再解除

(米国)

シカゴ発

2022年06月24日

米国自動車大手3社(デトロイト3)のゼネラルモーターズ(GM)、フォード、ステランティス(旧クライスラー)は6月21日、米国内の全ての工場および施設でのマスク着用義務を直ちに解除すると発表した。各社は、5月半ばに米国疾病予防管理センター(CDC)が、ミシガン州南東部のウェイン郡、オークランド郡、マコム郡などを含む6郡を感染リスクの高い地域に追加指定したのを受け、この地域の全ての工場、事務所でのマスク着用を義務化していた(2022年5月24日記事参照)。6月22日時点で、この6郡は、ほぼ全ての地域が感染リスクの低い地域に戻っている。また、ミシガン州全体での感染者数は5週連続で減少しており、同州保健社会福祉局(MDHHS)による6月21日の発表では、直近7日間における1日当たりの感染者数は1,780人となっている(前週は2,225人)。

全米自動車労組(UAW)とデトロイト3の各社で構成されるタスク・フォース・チームは「感染リスクが高いとしてCDCが指定している地域に所在する施設については、マスクの着用を強く奨励するが、義務ではない」としており、GMは「CDCによる今回のマスク着用義務解除への変更は直ちに適用される」とコメントした。また、UAWは「デトロイト3は引き続きマスク着用を希望する従業員には、マスクを無料で提供する」と述べた。

CDCは2022年2月、マスク着用のガイドラインを、感染率に基づくものから、当該地域の入院患者数、病床使用率、感染率に基づくものに変更したほか、各州における郡単位での感染リスクを「低・中・高」の3段階のレベルに分けたものに更新した(2022年2月28日記事参照)。このガイドラインでは、感染リスクの低い地域では「個人の希望によって着用」、中程度の地域では「免疫障害のある人は医師に相談してマスク着用を決定する」、リスクの高い地域では「ワクチンの有無にかかわらず屋内での着用をするよう忠告する」となっている。また、ワクチン接種については、3社とも米国内では従業員の接種の推奨はしているが、義務化はしていない。

(齋藤秀美、星野香織)

(米国)

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