BtoBライブ配信で日本酒の中国市場開拓を支援

(中国)

北京発

2022年06月14日

ジェトロは5月26~27日、日本酒の中国市場開拓支援を目的に、中国国内の酒類バイヤー向けに日本酒を紹介するライブ配信を実施した。本ライブ配信は、ワインやウイスキーなどの輸入酒、紹興酒に代表される黄酒、白酒などの中国伝統酒を扱うバイヤーを主なターゲットに実施したもの。北京市、上海市、深セン市などの在中日系企業および輸入を手掛ける中国企業の計9社がスピーカーとして参加し、2022年の新商品を含む30銘柄をPRした。中国国内の酒類ディストリビューター、レストラン関係者、EC事業者等の計1,300人以上が視聴した。

今回のライブ配信は、酒類に特化したBtoBプラットフォーマーの「酒先知」と連携して実施した。「酒先知」は、ウェブサイトやWechatアカウント上でワインを中心に世界各国の酒類の情報を発信するオンラインメディアであり、4万8,000人を超える会員向けにオンラインカタログサイトによるBtoBマッチングサービスを提供している。中国各都市のディストリビューター、インポーター、レストラン関係者などの酒類関連事業者の情報を有しており、また、年間50回以上オフラインでのBtoB商談会も主催している。

2021年の日本酒の輸出先は、金額ベースで中国が1位となった(2022年4月13日付地域・分析レポート参照)が、その多くは日本料理店で消費される。一方、足元では今後消費を担う若い世代を中心に低アルコール飲料の人気が高まっていることから、これまでワインを取り扱っていたバイヤーや中華料理店で、新たに日本酒の取り扱いを始めたいという意向が増えている。さらなる日本酒市場開拓には、こうしたニーズを発掘することが必要だ。ワインが中華料理店に浸透しているように、ワインと同じく一部が低アルコール飲料としてカテゴライズされる日本酒も中華料理店への普及の可能性は大きいとの指摘がある。

前述のとおり、今回のイベントはライブ配信で実施した。参加企業からは、ライブ配信のメリットとして、ライブ中にスピーカーと視聴者が相互にコミュニケーションが取れることや、見逃し配信視聴も可能なことなどから、効果的に新たなバイヤーにアプローチできるとの声が挙がったほか、「新型コロナ禍」において、一部中国国内での移動が制限されている中、貴重なプロモーションの機会だったとの声もあった。ジェトロでは、今後も継続して日本酒の中国市場でのプロモーションに向けてBtoBのライブ配信を実施していく予定。

(唐澤和之)

(中国)

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