コロンビア大統領選、左派のペトロ氏が勝利

(コロンビア)

ボゴタ発

2022年06月20日

コロンビア大統領選挙は6月19日、決選投票が行われ、急進左派のグスタボ・ペトロ氏が勝利した。選挙管理委員会によると、開票率99.99%時点でペトロ氏が50.44%(1,128万1,002票)を獲得し、独立系で実業家のロドルフォ・エルナンデスは47.31%(1,058万399票)だった。

ペトロ氏は同日夜、首都ボゴタのアリーナにおいて「今日はコロンビアにとって新しい歴史が始まる日だ」と勝利宣言を行い、新しいコロンビアは「平和、社会的正義、環境的正義」を達成する、と語った。エルナンデス氏は「ペトロ氏へ電話をしてお祝いの言葉と、公約達成のための支援を申し出た」とツイッターに投稿し、敗北を認めた。

コロンビアでは長年、右派、中道右派が政権を担ってきた。5月29日に実施された第1回投票では、決選投票へ進むと予想されていた中道右派候補が敗れ、伝統的な政治に対する支持後退が鮮明となった(2022年5月31日記事参照)。ペトロ氏は、採掘業中心の経済から、知識集約型の農業・産業経済への転換、自由貿易協定の見直し、富裕層への課税強化、ベネズエラとの外交再開などを掲げ、低所得層や若者を中心に支持を広げた。地域別では、首都ボゴタ、カリブ海沿岸、太平洋沿岸、アマゾンを中心に過半数の票を獲得した。就任式は8月7日に行われる。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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