韓国主導の「グローバル水素産業連合会(GHIAA)」発足

(韓国)

ソウル発

2022年06月10日

韓国産業通商資源部は5月25日、韓国の「水素融合アライアンス(H2KOREA)」が主導し、米国のほか、英国やドイツ、オーストラリア、中国などの18カ国の水素協会が参加する「グローバル水素産業連合会(GHIAA)」(注)が発足したと発表した。韓国が初代議長国となり、事務局はH2KORA内に設置される。

世界初の水素法を制定し(2021年2月9日記事参照)、「水素先導国家ビジョン」を策定して水素経済のマイルストーンを公表した韓国政府の取り組みとして注目される(2021年10月18日記事参照)。

GHIAAは民間を中心とした産業協力強化のため、定期会合を設けて水素分野のネットワークやデータハブを構築する一方、政府と民間の橋渡し役をしながら、グローバルな政策や規制整備、技術開発、実証実験などを強化する計画だ。

25日のフォーラムに出席した産業通商資源部の朴一俊・第2次官は、韓国の水素産業政策について「クリーン水素を基盤とする水素経済の実現に向け、経済性と技術成熟度を考慮し、水素の生産・流通・活用の全プロセスでエコシステムをバランスよく発展させていく」と説明した。説明の主な内容は次のとおり。

  • 生産:クリーン水素のエネルギー源を太陽光や風力、原子力、天然ガスなど多様化し、国内外に大規模の水素生産基地を構築。
  • 流通:全世界の水素供給を促進するため、水素とアンモニアの輸送船舶や貯蔵施設を完備し、グローバル清浄水素認定に関する基準を定める計画。
  • 活用:商用車を中心に水素車の普及と水素充填(じゅうてん)所の設置を拡大し、水素とアンモニア発電技術の開発、実証実験、水素発電市場の開設を推進する。

フォーラム終了後にKOTRA(大韓貿易投資振興公社)が行った大手企業の需要技術説明会では、現代自動車やロッテ化学、曉星重工業、SKガスが登壇して各社のニーズを紹介した。KOTRAは個別企業マッチング支援(6~7月)をオープンイノベーションのかたちで行う計画で、国外外資系企業の参加を期待している。

(注)GHIAA : Global Hydrogen Industrial Association Alliance

2021年9月に開催された「水素モビリティーショー」で14カ国が共同意向書を締結。参加団体リストは添付資料表のとおり。

〔李丙鎬(イ・ビョンホ)〕

(韓国)

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