産業通商資源部、水素経済のマイルストーンを公表

(韓国)

ソウル発

2021年10月18日

韓国産業通商資源部は10月7日、仁川市で関連企業および機関が参加する「水素経済の成果および水素先導国家ビジョン報告会」を開催した。同部による報告および発表内容は以下のとおり。

1.水素経済の成果

(1)制度的基盤の構築

世界初の水素法の制定(2021年2月9日記事参照)、研究開発(R&D)、インフラ、水素燃料電池車(FCV)、充填(じゅうてん)ステーション、安全、標準の6分野の政策の策定、さらに水素経済委員会の発足による推進体制の構築を通じ、水素の普及のための制度的基盤を構築した(注1)。

(2)水素関連設備などの普及状況

FCV、水素充填ステーションおよび発電用燃料電池の普及状況を発表し(添付資料表参照、「表1 主要国別水素燃料電池車(FCV)の普及台数」、「表2 主要国別水素充填ステーション」、「表3 主要国別発電用燃料電池」)、さらなる水素普及のため、2030年までにグリーン水素・ブルー水素などの製造分野に11兆ウォン(約1兆560億円、1ウォン=約0.096円)、水素の貯蔵・流通インフラに8兆ウォン、発電・FCVなどの利活用分野に23兆ウォンなど、合計43兆ウォン以上を投じると発表した。

2.水素先導国家ビジョンの策定・報告

「水素は、韓国がリードする初のエネルギー」をスローガンに掲げ、国内外のクリーン水素(注2)生産のリード、徹底したインフラ構築、全ての日常での水素の活用、サプライチェーン基盤の強化のため、下記を含む「水素先導国家ビジョン」を策定した。

(1)水素の生産・使用量の拡大

2030年にクリーン水素の生産量を100万トン(グリーン:25万トン、ブルー:75万トン)、2050年に500万トン(グリーン:300万トン、ブルー:200万トン)、水素使用量を現在の年間22万トンから2030年に390万トン、2050年に2,700万トンまで拡大、クリーン水素の割合を2030年に50%、2050年に100%とする。

(2)水素関連インフラの整備

アンモニア燃料船や液化水素運搬船を早期に商用化し、水素専用港湾を造成することで、海外からの水素輸入のための基盤を構築、鉄鋼・石油化学・セメントなど産業分野での水素の活用を積極的に活用する。

(注1)制度整備に加え、水素関連のR&D予算を2019年の855億ウォンから2021年は2,400億ウォンと2年で3倍に拡大させた。

(注2)グリーン水素とブルー水素の合計。

(当間正明)

(韓国)

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