米国、紅海の浮体式石油貯蔵積出設備「セイファー」の原油流出回避に1,000万ドル拠出

(米国、イエメン)

ヒューストン発

2022年06月10日

米国務省は世界海洋デーに当たる6月8日、紅海のイエメン沖合に係留されている浮体式石油貯蔵積出設備「セイファー」の原油流出などによる、生態系への脅威に対する国連計画を支援するため、1,000万ドルを拠出すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

米国務省は、セイファーの原油が流出した場合には、その除去に数十億ドルもの費用がかかるほか、紅海の海洋生物に壊滅的な影響を与え、主要な国際水路である紅海において世界の商取引の阻害となるだけでなく、漁業に依存する人々の生活を破壊し、また、イエメンにおける危機的な人道状況をさらに悪化させる可能性があると指摘し、これらを防ぐための努力が必要としている。

国際海事機関(IMO)のキータック・リム事務局長は、世界海洋デーを記念した声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中で「世界の貿易の80%は海上輸送によるもので、海洋は世界のサプライチェーンをつなぐものだ」とした上で、「私たちは各国やパートナーとともに、海を守り続けるため地域的な活動に取り組んでいる。世界海洋デーに際し、私たちは皆、海洋の活性化が地球にとって重要なことを認識しなければならない」と述べている。

国連は、セイファーの原油をより安全な船に移すための初期緊急活動に8,000万ドルを必要としている。今回、米国が1,000万ドルの拠出を表明したことで、目標に一歩近づいたかたちだ。米国務省は、紅海とつながる水路と利害関係を持つ民間企業や各国政府に対し、緊急に必要な資金を提供するよう求めている。

セイファーは10月になると、強風と不安定な海流によって、国連による活動がより危険なものとなり、セイファーが破損する危険性が高まるという。油が流出した場合、清掃だけで200億ドルの費用がかかるとされている。

米国務省は5月27日、セイファーの経済、環境、人道上の脅威に関して、米国とオランダの両政府による共同声明を発表していた(2022年6月2日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、イエメン)

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