中国、米・台の新たな貿易イニシアチブに反対

(中国、米国、台湾)

北京発

2022年06月07日

6月1日に米国と台湾が立ち上げを発表した「21世紀の貿易に関する米国・台湾イニシアチブ」(以下、米台イニシアチブ)(2022年6月2日記事6月2日記事参照)について、中国の複数の政府機関が反対を表明した。

中国商務部の高峰報道官は6月2日の記者会見で、米台イニシアチブに「断固として反対する」とした。高報道官は「『一つの中国』原則は台湾が対外的な経済協力に参加するための前提である。中国は、いかなる国が、いかなる方式であっても、台湾と公式に往来することに反対している。これには主権的な意味合いや公的な性質を持つ経済・貿易協定の締結も含む。米国は『一つの中国』原則と中米の3つの共同コミュニケ(注)を厳格に守り、国際法と国際関係の基本原則を順守し、台湾との経済・貿易関係を慎重に処理すべきである」とした。

中国外交部の趙立堅報道官は同日の記者会見で、中国と外交関係を持つ国による台湾との公式の往来や協定の締結に反対すると同時に、台湾側も「米国に頼った独立の企み」をやめるべきだと批判した。中国国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官も同日に、台湾側は「台湾の企業と民衆の利益を犠牲にして外部勢力と結託している」と批判した。

上海社会科学院台湾研究センターの盛九元主任は、米台イニシアチブは「『フォーラム』のように、今後どのように協力するかを話し合う場に見える。実質的な目的がなく、実質的な成果があるとはさらに言えない」とした上で「台湾企業は当局の政治的な指揮に従わず、中国との協力を強化するだろう」とした(「中国新聞網」6月2日)。

閩南師範大学両岸一家研究院の王建民名誉院長は、米台イニシアチブには市場アクセスが含まれていないなど「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」と内容に大差がなく、IPEFに参加できなかった台湾に対する「補償」にすぎないと指摘し「米国主導の、米国の利益を優先したイニシアチブであり、今後の見通しがどうであれ『台湾が譲歩し、米国が利益を得る』ことになる」とした(「環球網」6月6日)。

(注)1972年、1978年、1982年に発表された中国と米国間の3つのコミュニケを指す。

(河野円洋)

(中国、米国、台湾)

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