米1ポイントファイブとカナダのカーボン・エンジニアリング、直接大気分離回収プラントを2035年までに70基建設へ

(米国、カナダ)

ヒューストン発

2022年06月08日

米国石油大手オクシデンタルのグループ会社で、低炭素関連事業を手掛ける1ポイントファイブ(本社:テキサス州ヒューストン)と、二酸化炭素(CO2)の直接大気分離回収(DAC)技術を開発するカナダのカーボン・エンジニアリング(本社:ブリティッシュ・コロンビア州スコーミッシュ)は6月7日、2035年までに世界各地で70基のDACプラントを建設するとした事業戦略を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。各プラントのCO2回収能力は年間最大100 万トンを見込む。今後、気候変動に関する各国による取り組みの加速や、市場で需要拡大の後押しを受けた場合には、建設するプラント数を最大135基まで引き上げるとした。

1ポイントファイブは、多数のDACプラント建設を効率的に遂行する手法を併せて発表した。DACプラントの部品・部材や機器の設計をモジュール化(標準化)し、大量生産した上で、同社独自のサプライチェーンを用いて現地で組み立てるとしている。これに際して、カーボン・エンジニアリングは同社のDAC技術を提供し、1ポイントファイブはプラントの企画、設計、建設、施工、運用保守などプロジェクトエンジニアリングやサプライチェーンの知見を提供するとしている。

1ポイントファイブが建設するDACプラントの1基目は、前工程設計(FEED)が進行中で、テキサス州で2024年後半の操業開始を予定している。

オクシデンタルは低炭素事業に関する取り組みを加速化している。子会社のオキシ・ローカーボン・ベンチャー(OLCV)は2022年3月28日に、OLCVと米国林業大手ウェアーハウザー(本社:ワシントン州シアトル)がCO2回収・貯留(CCS)プロジェクトの実現に向け、ルイジアナ州リビングストン郡のウェアーハウザー所有地のリース契約に合意したと発表した(2022年4月6日記事参照)。また、4月25日にエンタープライズ・プロダクツ・オペレーティング(本社:テキサス州ヒューストン)とメキシコ湾岸でのCO2の輸送・貯留事業での協業について合意したと発表し(2022年4月27日記事参照)、5月3日にはエンリンク・ミッドストリーム・オペレーティング(本社:テキサス州ダラス)とミシシッピ川流域のCO2輸送事業の協業に合意した(2022年5月9日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、カナダ)

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