バイデン米大統領、日米韓首脳会談で日韓に対する防衛義務を強調

(米国、日本、韓国、北朝鮮)

ニューヨーク発

2022年06月30日

米国のジョー・バイデン大統領は6月29日、NATO首脳会談に参加するため訪問中のスペインで、日本の岸田文雄首相および韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と3カ国間の首脳会談を主催した。3カ国首脳会談は2017年9月以来で、約5年ぶりの開催になり、いずれの首脳にとっても初の参加となった。

ホワイトハウスが公開した会談要旨外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、3カ国は、北朝鮮による違法な大量破壊兵器および弾道ミサイルプログラムがもたらす脅威への対処を中心に、インド太平洋全体における3カ国間の協力強化について意見交換を行い、歴史的な会談になったとしている。バイデン大統領は5月下旬に両国を訪問し、それぞれ首脳会談を行った(韓米首脳会談:2022年5月24日記事参照、日米首脳会談:2022年5月24日記事参照)。いずれも安全保障から経済まで幅広い分野で議論を交わしており、今回の3カ国会談を通じて、そのフォローアップも行われた。同会談要旨は最後に、バイデン大統領が日本と韓国に対する米国の防衛義務が揺るぎないことを強調したと記し、締めくくられている。会談前の記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいても、3首脳ともに北朝鮮問題を喫緊の課題として挙げており、今回の会談では、この問題に対する連携が主要な議題になったもようだ。

今回の3カ国首脳会談は、史上初めて、インド太平洋地域に位置する日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの首脳がNATO首脳会談に参加する機会をとらえて実施された。バイデン大統領は、その点を「非常に歓迎すべきことだ」と評価した上、「これら4カ国の参加は、ウクライナに戦争を仕掛けけたロシアの責任を追及する国際的な団結と、ルールに基づく国際秩序を守るという共通の意思を示すものだ」と強調した。

(磯部真一)

(米国、日本、韓国、北朝鮮)

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